商品開発に向いている管理栄養士の特徴や年収相場は?

商品開発に携わりたいと考えている管理栄養士は多いでしょう。
新しいものを作り上げていく喜びは、大きなやりがいにつながるため、人気が高いのです。
しかし、どれだけ栄養の知識を豊富に持っていても、商品開発に欠かせない資質がない管理栄養士にとって、苦しく感じる職種でもあります。
今回は、商品開発に向いている管理栄養士の特徴や年収相場、商品開発に携われる職場などをご紹介します。
商品開発に携わりたい管理栄養士の方や、美容業界で資格を活かしたい方はぜひ最後までご覧ください。

商品開発に向いている管理栄養士ってどんな人?

商品開発に向いている管理栄養士の特徴としては、次の4つが挙げられます。

責任感がある


開発した商品は、人の体内に入ります。
そのため、より安全に製造し、安心して食べられる商品を提供しなければなりません。
管理栄養士であれば心得ていることですが、粗悪な商品を食べることによって、体に不調が表れるほか、様々な臓器に悪影響が及びます。
責任感を持たずに食品開発に携わると、多くの人を危険にさらす可能性があるのです。
この事実を踏まえると、責任感を持った管理栄養士でないと商品開発は務まらないと言えます。

食に対して探求心がある

商品開発は、調査探求を掘り下げ、よりよい商品を開発していく職種です。
商品開発というと、思いついたものを手あたり次第製造し、提供するというイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし実際は、1つの商品を開発するのに膨大な時間がかかることも少なくありません。

Point

つまり、新しいものを次々と生み出していきたいという考え方では、務まらない可能性があるのです。

一方で、食に対して興味がある、探求心がある管理栄養士は、1つの商品を深く追求する力があります。
より安心安全なものを開発するためには、そういった資質が欠かせません。

味覚や嗅覚が鋭い


意外かもしれませんが、味覚や嗅覚が鋭いことも商品開発向けの資質です。
現代では、味やにおいをデータに変換する技術開発が進んでおり、商品開発の場でも活躍しています。
しかし、商品開発では、味覚や嗅覚を含む人の五感に頼り、開発した商品を測定する官能評価が欠かせません。
優れた味覚や嗅覚は、官能評価で役立つ資質だと言えます。

商品やそのユーザー、市場の理解がある

商品開発では、開発する商品やそのターゲットとなる人、さらには食品業界やその商品が属する市場などに対する理解が必要です。
理解がないと、最終的にどのような商品を開発すればよいのかわからなくなってしまったり、ターゲットに刺さらず全く売れなかったりします。
つまり、食にのみ関心が高いだけでは、商品開発の場では能力不足と判断されてしまう可能性があるのです。
商品から市場まで、広い視野を持って取り組める人は、商品開発の場でも活躍できるはずです。

管理栄養士が商品開発に携われる職場

管理栄養士が商品開発に携われる職場は、主に5通りあります。

食品メーカー研究所


商品開発と言えば、大手の食品メーカーの研究所が挙げられます。
大手食品メーカーということで、新商品だけでなく、既存の商品を改良するという業務もあります。
近年、健康や食の安全に関心を持つ人が増加傾向にあることから、栄養や健康の知識を豊富に持ち、調理スキルが高い管理栄養士が重宝されます。
また、商品者の嗜好、ニーズは常に変化していくため、世の中のトレンドや市場ニーズを鋭く察知していく必要があります。
特に大手食品メーカーでは、そのようなスキルが欠かせません。

飲食店の企画開発部

商品開発は、飲食店チェーンでも行われています。
飲食店チェーンの企画開発部では、メニューの改良に加え、新メニューの開発業務を行うことになります。
営業やマーケティング部門と足並みを揃えて開発を行うのが一般的であるため、コミュニケーションスキルが欠かせません。
ときには、競合他社のメニューをリサーチするなど、市場調査に携わることもあります。
もちろん、管理栄養士ならではの知識を活用するシーンも多くあります。

スーパーやコンビニの企画開発部


スーパーやコンビニの商品開発の場でも活躍しています。
プライベートブランドの商品、総菜、定番商品といった幅広い商品の開発に携われるでしょう。
世の中のトレンドや市場ニーズに合わせて、新しいアイデアを出し、提供に向けて調査探求していきたいという方向けの職場だと言えます。

Point

スーパーやコンビニでは、管理栄養士監修の商品も人気です。

このようにユーザーからの信頼も厚いため、やりがいを感じやすい職場に就きたいという方におすすめです。

受託製造事業者

受託製造事業者は、病院をはじめとして、福祉施設や学校、社員食堂の給食や弁当を企画、製造します。
要望や目的に合った商品を企画開発するため、ご紹介してきた職場の中でも業務内容はシンプルです。
その分、真新しい商品を開発する機会が少なく、物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
とはいえ、栄養の知識を存分に活かせる場でもあるため、より栄養や健康に特化した業務を行いたいという方に適した職場だと言えます。

健康食品やサプリメントメーカー


管理栄養士は、健康食品やサプリメントメーカーでも商品開発に携われます。
健康はもちろん、美容に対する関心も高まっている昨今では、健康食品やサプリが注目されています。
インナービューティーという考え方も広まってきていることから、健康食品やサプリの開発に興味を持つ管理栄養士も少なくありません。

Point

健康食品やサプリメントメーカーでは、栄養設計はもちろん、成分調査で活躍できます。

中には、健康食品や美容食品に特化したメニューを取り扱う飲食店もあります。
そこでは、商品の開発だけでなく、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることもあり、様々な発見が得られるでしょう。

管理栄養士の商品開発は高収入を期待できる?年収相場は?


商品開発に携わる管理栄養士の年収相場は、250万円~330万円です。
厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、栄養士全体の平均年収は約374万円です。
つまり、食品開発に携わる場合は、平均年収を下回る可能性があると言えます。
とはいえ、企業勤めであれば、年齢やキャリアアップにともなって年収が上がる傾向にあります。
そのため、いずれは高収入を得られる可能性が高いでしょう。

管理栄養士が商品開発に携わるための流れ


管理栄養士が商品開発に携わるためには、先ほどご紹介した5通りの職場に就く必要があります。
一般的な仕事探しと同様、求人サイトや転職サイトを駆使して、条件に合った求人を探しましょう。
ここで注意したいのが、商品開発に携われる企業の求人が比較的少ないという点です。
管理栄養士の場合、病院や介護施設などの求人数はかなり多いですが、商品開発となると、選択肢が狭まってしまいます。
さらに、商品開発に携われる職場は、管理栄養士からの人気が高く、倍率も高くなりがちです。
特に美容に関わる商品開発の求人は、応募が殺到します。
商品開発の場で活躍したい場合は、上記の点を踏まえて仕事探しをする必要があるでしょう。

今回は、商品開発に携わりたい管理栄養士向けに、商品開発に向いている人の特徴や商品開発に携われる職場などをご紹介しました。
商品開発は、年収相場が平均年収を下回る職種でありながら、求人数が少ない上に人気が高いです。
商品開発の資質がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

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