管理栄養士と調理師の違い

管理栄養士は学校や施設などで料理を作っているイメージを持たれることが多いです。
そのため、調理師と似たような仕事と捉えている人も少なくありません。
しかし、管理栄養士と調理師は同じ食に関わる仕事ではあるものの、具体的な仕事内容は異なってきます。
今回は管理栄養士と調理師の違い、求められるスキルや給料の違い、資格取得する方法の違いをまとめてご紹介しましょう。

1.調理師は「料理を作る」が専門

調理師の役割は美味しくて安全な食事を提供することです。
簡単に説明すると、メインの仕事内容は料理を作ることになります。
食材の切り方はもちろん、味付けや盛り付けなど調理に関わる高度な技術とスキルを活かして業務を行っているのです。
調理師は調理師免許を取得していないと名乗ることはできません。
飲食店などでは調理師免許が必須な求人も多いため、飲食店業界で就職や転職をするのであれば有利に活動できる資格と言えるでしょう。
では、調理師は一般的にどのような現場で働いているのかご紹介します。

給食施設

調理師と聞いて思い浮かぶ仕事内容と言えば、学校や介護施設などの給食関係でしょう。
学校などへ給食を届ける給食施設で指示通りに調理を行います。
大規模な施設では調理や仕込みの仕事が中心で、小規模の施設であれば調理や仕込みはもちろん、盛り付けから調理器具の洗浄なども一通り行うことが多いです。
給食施設の求人が多いですが、学校や施設で直接雇用されるケースもあります。
また、仕事内容は調理や後片付けが一般的ですが、調理師が持つ味や盛り付けの技術を活かした意見が献立に反映されることもあり、料理の美しさや美味しさへの意識は管理栄養士以上とも言えるでしょう。

飲食店

調理師が働く現場は給食施設だけではなく、飲食店もあります。
飲食店の開業は調理師免許を持つ人が1人以上は必要です。
開業には知識や技術だけではなく、料理人としての経験も欠かせないので飲食店で働く調理師の方が割合的には多いでしょう。
飲食店の幅も広く、気軽に入れるレストランや居酒屋はもちろん、ホテルにも入店している一流レストランなど至る飲食店に配置されています。
特に一流のお店で働く調理師の場合はより高度なスキルや技術力が求められますが、その分待遇や給料も良いです。
調理師よりもシェフという呼び方に馴染みがあるでしょう。

2.管理栄養士は「栄養を管理・指導する」が専門

調理師が料理を作る仕事であれば、栄養士は安全で健康的な料理を作るために献立を考えたり、調理師が効率的かつ衛生的に調理できるように厨房の動線を考えたりする役割があります。
そして、管理栄養士は栄養士の上位資格であり、大規模な給食施設での給食管理をはじめ、病院に入院している患者や高齢者施設に入居する高齢者の栄養管理を行える仕事です。
食品の栄養知識が豊富で、健康状態に合わせた栄養指導や食事アドバイス、食事管理などがメインの仕事となります。

資格があっても配置は努力が必要

管理栄養士も調理師同様に、管理栄養士の資格がないと名乗ることができません。
大規模な給食施設で管理の仕事ができますが、資格を持っているから必ず働けるわけではなく、配置には努力が求められます。
また、栄養士と少し異なり栄養指導への保険請求が可能な特徴があります。
栄養管理は栄養士でもできますが、管理栄養士の資格を持てば栄養管理を中心とする施設では有利に就職や転職ができるでしょう。

給食管理と栄養管理について

給食管理と栄養管理の仕事内容についてみてみましょう。

給食管理

給食は栄養状態を理解した上で管理栄養士が献立を考え、給食会社に発注をしたり、直営なら調理師に献立を委託したりします。
給食をつくる工程で発生する書類の管理や厨房の従業員の管理、給食を食べる人の好みを理解することが主な仕事です。

栄養管理

基本的に病院や福祉施設に設置されます。
病院で働く場合、医師や看護師、薬剤師と一緒にサポートチームを組み、チームで患者の栄養管理を行うことが一般的です。
福祉施設の場合は、介護士や看護師と一緒に低栄養状態を改善することが主な仕事です。
栄養管理と聞くと肥満など生活習慣病の改善をイメージしますが、実際は低栄養の状態を改善させるための管理の方がメインとなります。
入院や外来問わず栄養管理も行っているのです。

調理を行うケースもある

管理栄養士が調理師と同じ仕事と認識される理由は、現場によっては調理を行う必要があるからでしょう。
調理師の人員配置に応じて調理を行うこともあり、また食品メーカーであれば新商品の試作を作ることもあります。
しかし、管理栄養士は栄養管理がメインの仕事であるため、調理業務はめったにないでしょう。
ただし、配属された職場によっては仕事内容も変わってくるため、調理業務が発生する可能性もあります。

管理栄養士と調理師の違いは管理栄養士が栄養に配慮した献立を考え、調理師が指示されたとおりに調理するという違いがあると理解しましょう。

3.それぞれ求められるスキルや知識が違う

管理栄養士と調理師では求められている知識も違えばスキルにも違いがあるのです。
そこで、それぞれの詳しいスキルについて解説していきましょう。

栄養についての深い知識が必要な管理栄養士

管理栄養士に求められている知識と言えば「栄養」に関する知識でしょう。
食品にある栄養についての知識などの基礎的なものから、地域によって違う食文化や食生活、食環境など幅広い知識が必要になるのです。
また、働く施設によって人体の構造から病気・健康について特化した知識が必要になる場合もあるでしょう。
そのため、自分の得意分野についての知識を備えることで、能力を最大限に活かした職場で働くことも可能です。

管理栄養士に必要なそのほかのスキル

管理栄養士は、栄養や食生活について悩みを抱えている人に知識を伝えることが必要となります。
食事や栄養管理についての相談に答えるべく、様々なアドバイスをしていくことになるので、わかりやすく教えなければいけないのです。
たくさんの知識を持っていたとしても、コミュニケーション能力がないことで、上手く伝えることができずにいると、管理栄養士の分野で働くことは難しいでしょう。
望んでいることをしっかりと理解して、言葉の言い回しや話し方についてのスキルを持っていることが重要となるのです。
また、病院や福祉施設、学校などで働く場合には、メニューの考案も行う場合があります。
企画力だけではなく、柔軟な考えと発想力も必要になります。

調理師に必要な知識やスキルとは?

レストランやホテル、学校給食や病院などで美味しい料理を提供する調理師には、もちろん調理のスキルが必要となります。
食材の下処理の仕方や調理方法など、しっかりと理解をしていることが大切です。
また、栄養や衛生面の知識も必要となります。
安心安全な料理を提供するためには欠かせない知識となるでしょう。
また、レストランなどでは新しいメニューを考えることも必要となるでしょう。
味だけではなく見た目が良いものが望まれている現代ならではの発想力もポイントです。
また、食材を切る際や盛り付け時には繊細な場面も多いので、手先の器用さや丁寧に作業を行うスキルが必要となります。

調理師にもコミュニケーション能力が必要

管理栄養士同様に、調理師にもコミュニケーション能力は必要でしょう。
レストランやホテルなどでは、大勢で料理を作り提供していきます。
切る作業や調理を行う作業、盛り付けなど各担当に分かれて料理をしていく場合も多いので、コミュニケーションを取りながら作業を行う必要があります。
バランスが崩れてしまうことで、料理の品質にも影響が出ることとなるので、普段からのコミュニケーションが大切です。

4.給料はどれくらい違う?

調理師と管理栄養士の給料には違いはあるのでしょうか?
それぞれの給料や年収について解説していきましょう。

調理師の給料について

求人情報などから調理師の給料を確認してみると、地域によって差もありますが15~21万円くらいが多いことがわかります。
見習いであるとさらに低くなり、手取りが10万円台前半であることも多いのです。
そういったことから、一人前の調理師になるためには覚悟を持って取り組まなければいけないのです。

調理師の年収について

平成27年度の調理師の年収を男女比・年代別で見てみると以下のようになります。

・~19歳
男性:233万円
女性:214万円

・20~24歳
男性:275万円
女性:241万円

・25~29歳
男性:313万円
女性:275万円

・30~34歳
男性:344万円
女性:283万円

・35~39歳
男性:384万円
女性:290万円

・40~44歳
男性:406万円
女性:267万円

・45~49歳
男性:426万円
女性:283万円

・50~54歳
男性:445歳
女性:279万円

上記を見ると男性の方が年収が高いことがわかります。

64歳までの調理師の年収を平均的に見てみると、
・男性:370万円
・女性:270万円
となっています。

管理栄養士の給料について

管理栄養士の給料は働く職場で大きな開きがあると言えます。
公務員の管理栄養士として働く場合と、民間の企業で勤務する場合には差が出てしまうのです。
また、企業によっては資格手当がつく場合もあり、数万円程度ほど給料に上乗せされることもあります。
経験を積んでいくことで、給料を増やすことも可能です。
アルバイトやパートであっても専門的な知識を持っていることで時給1000円以上であることも多いので高待遇だと言えるでしょう。

管理栄養士の給料に関しては、統計的なデータがないのですが月収18~23万円程度となり、地域によっても違いはあるでしょうが、平均年収は300~400万円と推測されています。

5.資格取得の方法の違いとは

次に、調理師と管理栄養士の資格を取得するための方法の違いを見ていきましょう。

調理師の資格取得方法とは

調理師免許を取得するには2つの方法があります。

①調理師学校に入学

調理師学校や養成学校に入学をして、1年以上勉強をして卒業をすることで受験をしなくても調理師免許を取得することが可能です。
専門学校には1年クラスだけではなく、2年クラス、夜間クラスなどもあるので、自分の生活にあった学校を選ぶことができるでしょう。
調理実習で調理の勉強をしていくほか、公衆衛生学や栄養学、調理理論などを指導を受けながら学ぶことができるほか、学校によっては調理師以外にも様々な資格の取得を目指すことが可能です。

・製菓衛生士
・食品技術管理専門士
・食育インストラクター

複数の資格を取得することも可能なので、自分が目指す道によって資格を選ぶことができるのです。

②飲食店で働き、調理師試験に合格

学校に通わなくても調理師の資格は取得できます。
飲食店で2年以上実務経験を積み、その後調理師試験を受けて合格をすれば、調理師免許を受け取ることが可能です。
見習いとして働き、実務経験を積むことで専門性の高い知識や技術を身に付けることができるので、料亭やラーメン店などではこの方法で習得をする人が多い傾向にあります。

管理栄養士の資格取得方法とは

管理栄養士の資格を取得するためには、厚生労働大臣の指定した栄養士養成施設で勉強をして、卒業をすることが必須項目となります。
4年制大学、3年制・2年制の短大、専門学校で学ぶことで、卒業時に栄養士免許を取得できるのです。
そして、管理栄養士になるためには、国家試験を受ける必要があり、その条件として国が定める施設で一定期間の実務経験を行う必要があります。
また、4年制大学や専門学校などの管理栄養士養成施設で学び取得を目指すことも可能です。
栄養士養成施設と同じように、学校で様々な知識を身に付けて卒業をすることで栄養士の免許が取得できますが、管理栄養士国家試験には実務経験なしで臨むことができる違いがあります。

調理師とは違って夜間の学校はないので、主婦や会社員から管理栄養士を目指す場合には、学校に通う時間を作る必要があるでしょう。

国家試験の出題項目は下記に挙げられるものです。

・社会・環境と健康
・食べ物と健康
・基礎栄養学
・応用栄養学
・栄養教育論
・臨床栄養学
・公衆栄養学
・給食経営管理論
・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

より専門制の高い項目が増えているので、調理師よりも取得が難しいとされているので、管理栄養士になるためには、学ぶ覚悟を持つことが大切となるでしょう。

管理栄養士と調理師の違いについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
料理を作ることがメインとなる調理師、そして栄養を管理し食事内容を考えるのが管理栄養士であることがわかっていただけたかと思います。
どちらも食に関する職業ではありますが、仕事内容から働く場所、給料などにも違いが見られるので、食に関する職業に就きたいと漠然に考えている方は、具体的にやりたいことを考えてみて、当てはまる方の資格をぜひ目指してみてください。

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