管理栄養士を置かなければならない施設とは

管理栄養士を置かなければならない施設

世間には様々な施設があり、そこではそれぞれ役割を持つ人材が働いています。
中には管理栄養士を置かなければならない施設もありますが、どのような施設に該当するのでしょうか?

また、管理栄養士は配置が義務付けられている施設でしか働けないのか気になるところです。
今回は管理栄養士を置かなければならない施設や管理栄養士の仕事事情についてご紹介していきましょう。

管理栄養士を置かなければならない施設とは?

数多くある施設の中には、必ず管理栄養士を置かなければならない施設が存在し、そのような施設で働くことを選ぶ管理栄養士も多いです。
具体的にどのような施設に配置義務があるのか見てきましょう。

厚生労働省大臣が定める基準を満たす施設

管理栄養士の配置は健康増進法により、厚生労働省大臣が定めている基準に当てはまり、都道府県知事が指定する施設に配置することが決められており、そのような施設を「管理栄養士必置指定施設」と呼びます

配置が必要な施設でありながら措置をとらないと、都道府県知事の権限により配置勧告ができ、正当な理由がなく措置がとられない場合は措置命令が可能です。
まあ、措置命令に違反する場合は罰金50万円が課せられるようになっています。

一号施設と二号施設とは?

管理栄養士を設置しなければならない施設は色々ありますが、健康促進法の規則第7条において一号施設と二号施設に分けることができます。

一号施設とは

一号施設は医学的な治療や管理が必要とする人を対象に食事の提供が行われる特定給食施設が該当します。
さらに継続的に1回300食以上、もしくは1日750食以上の食事を提供することが該当する条件です。

二号施設とは

二号施設は管理栄養士の手による特別な栄養管理が求められる特定給食施設が該当します。
さらに一号施設を除いて継続的に1回500食以上、または1日1500食以上の食事提供が条件です。

一号施設に当てはまる施設の種類

具体的にどんな施設が一号施設に当てはまるのか、施設の種類や該当条件を見ていきましょう。

一号施設は医学的な管理を必要とする人々に食事提供する施設が当てはまるため、医師や看護師によって管理される病院や介護老人保健施設です。
病院は病気や怪我で通院する人だけではなく、入院して病院で過ごす人が大勢おり、毎日3食、食事が提供されています。

介護老人保健施設は介護施設の一つですが、要介護者にリハビリを提供することで在宅復帰を目指す施設であり、医療ケアとリハビリ、さらに食事などの生活サービスが提供されるので一号施設に該当するのです。

看護師

また、病院内に介護老人保健施設が併設されている場合も一号施設に含まれます。
管理栄養士を置かなければならない施設に当てはまるためには、病床数や定員数も一定条件を満たす必要があります。

病院の場合

許可病床数が300床以上の病院に設置される特定給食施設が該当条件です。

介護老人保健施設

入所定員数が300人以上の介護老人保健施設で設置される特定給食施設が該当条件です。

病院・介護老人保健施設のみを対象に複数の施設、もしくは2つの施設に加えて他の施設にも食事を提供する特定給食施設の場合、病院の許可病床数や介護老人保健施設の入所定員の合計が300以上となる場合も一号施設に該当します。

二号施設に当てはまる施設の種類

二号施設は管理栄養士による栄養管理が必要となる施設が対象ですが、一号施設に比べると範囲は大きくなります。

児童福祉施設

児童福祉施設とは児童福祉法に基づき、恵まれない児童や親に対して支援事業を行う施設の総称になります。
施設は11種類ありますが、二号施設に当てはまるのは乳児院、児童養護施設、福祉型障害児入所施設、情緒障害児短気治療施設、児童自立支援施設の5つです。

社会福祉施設

社会福祉施設は老人や子ども、心身障害者、生活貧困者などに対して福祉サービスを提供する施設の総称です。
二号施設に当てはまるのは救護施設・更生施設、養護老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム、重度の知的障害者の自立支援施設、障害者支援施設です。

その他

事業所とは私事業や自治体、公共企業を含み経済活動を行う施設です。
二号施設に当てはまるのは事業所、寄宿舎・寮、矯正施設、自衛隊、一般給食センターなど、食事の提供や管理栄養士の管理が求められる施設になります。

管理栄養士の仕事

二号施設にみなされる特定給食施設

管理栄養士を置かなければならない施設の中には二号施設にみなされる施設があるので、その条件を見てみましょう。

複数の施設に食事を提供する場合

一つの特定給食施設が一号施設の対象で一号施設や二号施設、または複数の二号施設を対象に給食を提供する場合、許可病床数が300床以上の病院と入所定員数が300人以上の介護老人保健施設という条件を除いて、各施設へ提供する食事の数の合計が1回500食以上、または1日1500食以上だと二号施設とみなされます。

また、一号施設と二号施設以外にも食事を提供する特定給食施設も同様です。

この2つのケースでは、病院や介護老人保健施設に供給される1回あたりの食事数は許可病床数や入所定員数、1日の食事数は許可病床数や入所定員数の3倍とみなして扱われます。

複数の児童福祉施設や社会福祉施設に食事を提供する場合

一つの特定給食施設が管理栄養士を必要とする複数の児童福祉施設や社会福祉施設に食事を提供する場合も、条件に応じて二号施設にみなされます。
その条件は一つの施設におき供給される食事の数が1回500食以上、または1日1500食以上であることです。

事業者などに食事を提供する施設

児童福祉施設や社会福祉施設ではなく、事業者などに食事を提供する特定給食施設の場合、提供される食事が事業所などで勤務する人や居住する人が食べることが前提となります。
その際、勤務する人や居住している人の約8割が提供された食事を食べることを条件に、1回500食以上、もしくは1日1500食以上提供する特定給食施設が二号施設に該当します。

このケースに該当する特定給食施設は常に管理栄養士を配置する必要があり、設置者が直接管理栄養士を雇用するのが原則です。
事業所、寄宿舎・量は設置者の直接雇用ではなく、委託会社から配属された場合も管理栄養士の配置と見なされます。

管理栄養士の離職が増えている理由

管理栄養士が在籍している職場といえば病院や介護施設などが挙げられます。

しかし、最近は管理栄養士の離職率が増えていることによって、求人情報で常に管理栄養士の募集が掲載されているようです。
では、なぜ管理栄養士を離職する人が急増しているのか、ここで理由を検証していきましょう。

管理栄養士の主な退職理由

①仕事量が多い

管理栄養士の離職理由で一番多いのは「仕事量の多さ」です。
管理栄養士を目指し資格取得したものの、実際現場に立ち入った際はこのような理由で苦労される方が多いでしょう。
栄養士として入職した場合の職場は、厨房業務を任されるのが一般的です。

管理栄養士を置かなければならない施設

これは給食施設が直営の場合、調理を行うことによって管理栄養士の基礎を身に付けることができるといった基礎構築にあたるからです。
しかし、この要因が退職の理由になるということは労働環境の背景だったり、管理栄養士に求める立場の難しさが影響してくるのでしょう。

厨房のみの業務であればその日に完結するので、翌日に業務が持ち越すということはありません。

例外として前日の下準備の段階で切り方や下ごしらえを指摘されるケースもありますが、基本的には1日で最後まで業務をこなすことができるのです。

しかし、管理栄養士の場合は献立決めやカロリー計算、材料の発注などの業務もこなさなければなりません。
病院や介護施設であれば病棟や居室の「栄養管理計画」や「栄養指導」なども必須になるでしょう。

高齢者施設は栄養ケアマネジメントなども行わなければならないので、必然的に時間外で働くことになりかねないのです。

厨房が疎かになれば食出しがスムーズに行かず、管理栄養士としての仕事や責任が問われてしまいます。
人員が少なければ厨房業務を終わらせてから、管理栄養士としての仕事を行わなければなりません。

②肉体的な負担

管理栄養士は厨房に立っている時間が多い割に休憩時間が少ないという声をよく耳にします。
中には1日8時間以上立ちっぱなしで調理をしていたり、体力的に追い込まれる方も多いようです。

委託給食に在籍している管理栄養士の人数は、大体1~2人となっているので発注や検品、調理、事務仕事などを1人でこなさなければならないところもあります
発注落ちがあれば足りない材料を自らスーパーなどへ購入しに行かなければならない負担もあるので精神的にも追い込まれる状況になってしまうでしょう。

③人間関係

管理栄養士は指導や指示する立場なので、状況によっては年上でも厳しく当たる必要があります。
厨房は女社会で有名な職場環境なので、役職は上でもいじめられたり厳しい言葉を発せられることも多いです。

調理を行っている最中に、発注や栄養管理などの事務業務を行っていれば「楽をしている」という風に見られ、冷たい視線を感じることもあるでしょう。
また、管理栄養士は委託給食の場合管理職になるので、それなりの責任を問われる場面も多い仕事です。

人の健康を支えるといった業務は、食べ物を扱うので時には人の命に関わることもあります。
もちろん間違った栄養指導をしてしまうことは絶対に避けなければなりませんし、栄養指導や管理を行っても改善されなければ低く評価されてしまうこともあります。

期待以上の結果を出さなければといったプレッシャーもあるので、精神的に追い込まれる人が多い職種と言えるでしょう。

この他、低賃金や責任感の重さから離職を選ぶ方も多いようです。
離職率の高い職場はこういった理由で退職されてしまうことが少なからず影響しているかもしれません。

管理栄養士は必ず病院・介護施設で働かなければならないのか?

委託給食や病院などでは、仕事量の多さや体力的な問題で離職する人が増えており、求人情報でも管理栄養士の需要が問われるようになってきました。

管理栄養士の仕事は病院や介護施設などで活かせる職業なのですが、実は美容業界でも働くことができることをご存知でしょうか?
ここでは、美容業界で働くための管理栄養士の就職先についてご紹介します。

病院や介護施設以外にも管理栄養士として働くことができる

管理栄養士として働ける場所は、何も病院や介護施設だけとは限りません。
市区町村役場や保健所などでは食事や栄養管理についての調査があり、地域などで講演会を実施する場合もあります。

このような行政機関だけでなく一般企業でも管理栄養士の募集要項が出されているところもあります。
また、ホテルや飲食店など食事提供をメインとした事業や、食品メーカーの研究所や営業職など幅広い分野で管理栄養士の知識やスキルが求められているのです。

最近はアスリートに専属の管理栄養士がつき、個人的に直接指導したりアドバイスを行っている人もいます。
中には、スポーツジムに管理栄養士が所属しているケースもあるでしょう。

美容業界でも働くことができる

管理栄養士が持つ知識やスキルは、美容サロンやエステサロンなど外側からアプローチする美容業界で働くことができます。
最近は体の内側から綺麗を目指す食事アドバイスが注目されていることから、管理栄養士の資格を持っていることでサロンの即戦力、さらに信頼性を高めることにもつながります。

従ってこれまで病院や介護施設、学校などの求人情報が多かったのに対し、エステサロンなど美容業界から採用を募集しているケースが増えてきました
健康食品メーカーが提供しているダイエットサプリや化粧品などの企画にも携わることができるでしょう。

エステプロラボは管理栄養士におすすめの職場

管理栄養士の資格を活かし美容業界で活躍したい方は、エステプロ・ラボが働きやすい環境と言えるでしょう。
エステプロラボは内面美容指導を基軸とする会員制の美容サロンです。

女性の体を美しく保つためには一流エステティシャンのレベル高い施術技術も必要ですが、より施術効果をアップさせるためには内側からのアプローチが有力になります。
良質な自然素材や実績のある成分を厳選して体に取り入れ、無駄なものは省くといった内面美容の根本的価値を追及しているサロンです。

それには管理栄養士という専門知識や経験が必要になり、カウンセリングや栄養指導が欠かせないものになります。

正しい栄養管理をすることによって健康的なダイエットを行うことができるので、美容業界において管理栄養士の存在は非常に大きな力になることは間違いありません。

今回は管理栄養士を置かなければならない施設を紹介すると共に、なぜ管理栄養士の離職率が高くなっているかという理由についても解説してきました。
管理栄養士は必ずしも病院や介護施設などで働く必要はありません。

エステプロラボのように管理栄養士の資格を最大限に活かせる美容業界も存在しています。
インナービューティーやファスティングのアドバイザーを目指す方も増えてきていることから、今後管理栄養士の資格はますます注目されることになるでしょう。

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