管理栄養士と聞くと、男性よりも女性のイメージが強いという方も多いでしょう。
実際、男性でも管理栄養士になれますが、働いている男女の比率は女性の方が圧倒的に多いのが実状です。
しかし、男性の管理栄養士は増加傾向にあり、調理などの力仕事にも向いている、結婚や出産で離脱するケースが少ないことから、積極的に採用している企業も増えています。
そこで今回は、男性の管理栄養士について詳しくご紹介します。
後半ではおすすめの職場もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士の仕事とは?なぜ男性は少ない?
管理栄養士は国家資格の1つで、専門的な知識と技術を活かし、一人ひとりに合った栄養指導や給食管理を行います。
皆が健康に生活できるよう食事面からサポートするため、幼稚園や小学校をはじめ、老人ホーム、病院など、様々な施設で管理栄養士は求められています。
それにも関わらず、男性の管理栄養士が少ないのはなぜなのでしょうか?
その理由について見ていきましょう。
女性しか入学できない管理栄養士養成施設がある
管理栄養士になるには、高校卒業後に管理栄養士養成課程、あるいは栄養士養成課程のある大学や短期大学、専門学校に入学し、定められた単位を取得する必要があります。
こうした学校を管理栄養士養成施設といいますが、中には女性しか入学できない施設も存在します。
そもそも入学できる施設が女性よりも少ないため、管理栄養士を目指す人数も少ない傾向にあります。
給与が少ない
管理栄養士の給与相場は、約350万円〜450万円です。
女性よりも男性の方が高い傾向にありますが、それでも家族を持った時に養っていけるだけの収入を得られるのか不安に感じている方も少なくありません。
女性としては高く感じる収入も、男性の賃金水準からみると決して高いとは言えないことも、男性の管理栄養士が少ないことに少なからず関係していると考えられます。
しかし、給与に関しては働く施設によって差があります。
最近は、好待遇の求人も増えているので、探してみると良いでしょう。
男性が管理栄養士として働くメリット
女性に比べて数が少ない男性管理栄養士ですが、男性が管理栄養士として働くメリットはどこにあるのでしょうか。
ここでは、男性が管理栄養士として働くメリットをご紹介します。
キャリア形成がしやすい
男性の管理栄養士はキャリア形成がしやすい点がメリットです。
管理栄養士は女性が多い傾向にありますが、女性の場合、産休や育休を取得したり、場合によっては退職や時短勤務をしたりしなければいけません。
しかし、男性の場合妊娠や出産で職場を離脱せずに済むため、女性の多い職場では特に重宝される傾向にあり、出世しやすくキャリア形成しやすいと言われています。
中立な立場を保てる
全体的に女性が多い管理栄養士業界では、職場でも女性の比率が高い傾向にあります。
女性同士の場合、仲良くなることもあれば、時にトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
しかし、男性ならばあくまでも仕事仲間として、一歩引いた距離感で付き合うことができるので、職場のトラブルに巻き込まれる可能性が低いです。
万が一職員同士のトラブルがあったとしても、第三者として中立的な立場から意見をいうことが可能です。
福利厚生が充実している
女性の多い管理栄養士の職場では、働く女性をサポートしようと福利厚生が充実していることが多いです。
こうした福利厚生は、性別関係なく男性でも受けられます。
休みを取りやすい、残業がないなど働きやすい環境が整っているところを選べば、プライベートとの両立もしやすいでしょう。
男性管理栄養士におすすめの職場とは
男性の管理栄養士でも働きやすい、おすすめの職場とは一体どのようなところがあるでしょうか。
ここでは、男性でも活躍しやすい職場を紹介します。
施設の給食管理
管理栄養士の仕事として最もポピュラーなのが、小学校や病院、老人ホームなどの施設での給食管理です。
給食管理では、日々の献立作成から、洗浄まで全ての工程を行います。
食事を食べる人の中にアレルギーのある子がいれば、対応食を作ることも求められるため、ニーズに合わせて、満足度の高い献立を提供する必要がありますが、男性の管理栄養士なら、女性とはまた違った視点からメニューを提案できる可能性があります。
食品の開発や研究
食品の研究や開発に携わる管理栄養士もいます。
栄養補助食品や嚥下障害のある方向けの商品開発など、管理栄養士ならではの視点を活かすことで、より良い商品を生み出すことも可能です。
保健所や市役所
保健所や市役所で管理栄養士として勤務するのもおすすめです。
公務員として働くことになるので勤務環境が安定しているほか、職場には男性職員も多いので男性にとって働きやすい環境といえるでしょう。
直接調理を担当することはないかもしれませんが、食事や栄養で悩んでいる人のサポートにあたる重要な役割を担います。
美容やスポーツ分野
最近は、プロスポーツ選手やフィットネスジムに通う人を栄養分野からサポートする管理栄養士も多いです。
現に、管理栄養士を募集しているスポーツクラブや美容サロンは増加傾向にあります。
スポーツが得意な人ならアスリートの気持ちを理解しつつ、栄養面からサポートすることもできるのでおすすめです。
管理栄養士が美容業界で活躍するには
内側から綺麗を目指す人が増えていることから、美容業界での管理栄養士の需要は年々増加傾向にあります。
ここでは、美容業界で働くのが向いている人の特徴をご紹介します。
積極的に行動できる人
幼稚園や学校、病院など以外にも活躍の場が広がってきているとはいえ、まだまだ管理栄養士の必要性を理解している人は少ないです。
そのため、管理栄養士としての知識や技術を活用できるよう、業務を工夫したり、仕事を探したりと自ら行動できる人は、美容業界での仕事にも向いています。
人と関わることが得意な人
美容業界で働く場合、お客様相手に食事のサポートやアドバイスをすることが多くなります。
お客様の相談を受けることもある中で、人と関わることに苦痛を感じる人は、美容業界でのお仕事は向いていないと言わざるを得ません。
反対に、人とコミュニケーションを取ることが得意であり、お客様のサポートをしたい、綺麗になるお手伝いをしたいと考え行動できる人は、美容業界でのお仕事に向いています。
美容に興味のある人
美容業界で働くなら栄養はもちろん、美容に関する知識も必要です。
Point
どの食材にはどのような美容効果があるのか、摂取することでどんな影響があるのかなど、美容面に特化した知識がより強く求められます。
そのため、美容業界は美容に興味があり、美容に関する知識を学ぶことに貪欲な人に向いているでしょう。
今回は、男性管理栄養士について、詳しくご紹介しました。
管理栄養士と聞くとどうしても女性のイメージが強いかもしれません。
しかし、男性だからこそ、管理栄養士として活躍できる職場も多いです。
管理栄養士を目指している男性はもちろん、既に管理栄養士として働いている方も、遣り甲斐を持って働ける職場を探しているのであれば、ぜひ美容業界を候補に入れてみてください。
美容業界なら、これまで培った技術や知識を存分に生かして働くことが可能です。