管理栄養士が取得しやすい運動関連の資格「健康運動指導士」とは?

管理栄養士は栄養や食事の面で対象者をサポートする重要な役割を担っています。
しかし、食事の面だけでは改善できない部分もゼロではないため、歯痒さを感じる方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、管理栄養士向けの資格取得を検討するのがおすすめです。
トータル的にサポートできる資格を取得することで、より手厚いサポートを提供できるため、スムーズな生活習慣の改善や心身の回復が期待できます。
特におすすめなのは、運動に関する資格取得です。
今回は、管理栄養士が取得しやすい運動関連の資格「健康運動指導士」についてご紹介します。

運動指導ができる管理栄養士は重宝される!


管理栄養士の役割は、病気を患っている方はもちろん、病気を患っている方に対し、専門的な技術や知識を駆使して栄養管理・栄養指導を行うことです。
医療施設を始めとして、福祉施設や小中学校、行政機関、企業など幅広い場所で活躍できるため、人気のある資格です。
しかし、近年ではダブルライセンスを取得する管理栄養士も増えてきています。
その理由は、一般的な管理栄養士より栄養面以外でもサポートできる管理栄養士の方が重宝されやすい傾向にあるからです。
実際、健康を維持するためには栄養以外の要素も重視する必要があります。
管理栄養士は栄養面で人々の健康をサポートしますが、どれだけ栄養や食事に気を付けていても、その他の要因によって健康が維持しにくくなってしまうケースも少なくありません。
その他の要因として特に課題となっているのが「運動」です。
つまり、運動指導ができる管理栄養士は、栄養面以外でも健康維持をサポートしてくれる強力な人材と言えるのです。

管理栄養士は運動指導もできる?

管理栄養士 医療系
現代人の深刻な運動不足は度々話題になりますが、管理栄養士の資格だけでは適切な運動指導ができるとは言えません。
管理栄養士が適切な運動指導を行うには、運動に特化した資格を取得するのが望ましいです。

Point

中でも「健康運動指導士」は、多くの管理栄養士から注目されているため、取得する価値のある資格だと言えます。

健康運動指導士の役割は、保健医療関係者と協力しながら、安全かつ効果的な運動を実施するため、プログラムの作成や実践指導計画の調整などを手掛けることです。
以前は、運動施設やフィットネスクラブなどを活躍の場としていましたが、現在は保健医療関係でも十分に生かせる資格として生まれ変わっています。
健康のための適切な運動指導ができる専門家として認められる資格なので、栄養面と運動の両方から健康をサポートしていきたいという管理栄養士におすすめです。

健康運動実践指導者とは異なる資格なので注意


健康運動指導士と混同されがちな資格として、健康運動実践指導者が挙げられます。
どちらも健康のために運動指導を行う人が持つ資格ですが、役割が異なるため資格取得の際は注意が必要です。
健康運動指導士は運動プログラム作成を始めとして、対象者との面談などを行いながら指導をしていくのが一般的です。
健康運動指導士の仕事内容には、医学や介護の知識が求められるのも特徴となっています。

Point

一方で健康運動実践指導者には、見本となるほどの実技能力を持っている・集団に対する運動指導の技術に特化しているといった特徴があります。

つまり、実践指導を得意とするのが健康運動実践指導者なのです。

健康運動指導士の認定試験を受けるための条件


管理栄養士が健康運動指導士を取得するためには、まず、認定試験を受けるための条件を満たす必要があります。
認定試験を受けるための条件は、次の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

健康運動指導士養成講習会を修了する

健康運動指導士養成講習会を受講するためには、受講資格が必要です。
また、保有資格や学歴によって、必要な単位数と受講費用が異なるのも特徴です。
管理栄養士の資格を持つ人は、213,950円の70単位コースを修了することで健康運動指導士認定試験の受験資格を取得できます。
70単位コースでは、次の科目を学習します。

・健康管理概論、健康づくり施策概論、運動プログラムの実際、運動負荷試験
・運動生理学、機能解剖とバイオメカニクス(運動・動作の力源)、健康づくり運動の理論
・体力測定と評価、健康づくり運動
・健康づくり運動の実際(健康産業施設など現場研修)

健康運動指導士養成校を卒業する


受験資格取得をするもう1つの方法は、健康運動指導士養成校を卒業することです。
健康運動指導士養成講習会を受講する資格を持っていない場合は、こちらの方法で受験資格を取得します。
公益財団法人健康・体力づくり事業財団が定めた養成校は全国に71校あります。
ちなみに、管理栄養士の養成学校の中には、卒業すると健康運動指導士の受験資格が得られるところもあります。
管理栄養士の資格取得を検討している段階の方は、健康運動指導士の受験資格が得られる養成校を選ぶとよいかもしれません。

上記以外の方法で受験資格がもらえるケース

健康運動指導士養成講習会を修了し、認定試験を受けたけれど、不合格になってしまったというケースもあるでしょう。
健康運動指導士は、1度認定試験を受けていれば、講習を受け直さなくても再受験できます。
他にも、次のような場合は健康運動指導士の認定試験を受けられます。

・認定試験日の約1ヶ月前までに修了見込みがある人
・養成校を卒業して4年以内の人

管理栄養士は忙しい職種ということもあり、仕事と勉強の両立が難しいと感じる人も少なくありません。
仕事が忙しく、合格できなかったという場合でも、焦らず次の試験に備えるようにしましょう。

健康運動指導士の受験資格を獲得したら


健康運動指導士養成講習会を修了もしくは健康運動指導士養成校を卒業したら、試験を受けましょう。
ここからは、受験や合格後の注意ポイントをご紹介します。

受験について

健康運動指導士の認定試験は、オンラインで行われます。
受験費用は13,619円です。
1年間で3月・9月・11月の3回行われるため、それに合わせて学習スケジュールを組んでおくとよいでしょう。
ちなみに、健康運動指導士の合格率は約60%で2024年管理栄養士国家試験の合格率(49.3%)に比べれば、難易度は低いと言えます。
とはいえ、出題範囲が広いことから、しっかりと対策する必要があるでしょう。

合格後について

健康運動指導士の認定試験に合格した後は、健康運動指導士として登録するための費用として24,200円が必要になります。
そして、5年ごとに更新しなければなりません。
とはいえ、再度試験を受ける必要はなく、更新料を支払うだけで健康運動指導士と管理栄養士のダブルライセンスを持つ人材として活躍できます。
更新料は22,000円です。

今回は、管理栄養士に注目されている健康運動指導士についてご紹介しました。
健康運動指導士は、健康を維持するために欠かせない運動を指導する人が持つ資格で、管理栄養士との相性も抜群です。
栄養と運動を組み合わせた指導が可能になるため、対象者の健康をより手厚くサポートできるようになるでしょう。
また、管理栄養士の場合、看護師や栄養士、理学療法士などよりも少ない単位で受験資格を取得できることから、管理栄養士にとっては比較的ハードルの低い資格だと言えます。
管理栄養士としてのキャリアアップを目指している、対象者を総合的にサポートしたいという方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。

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