栄養や食について専門的な知識を持つ管理栄養士や栄養士は、様々な場面で活躍できる資格です。
管理栄養士や栄養士は似たような仕事内容ですが、年収面は職場によっても違いが生じます。
ここでは、管理栄養士と栄養士の年収の違いについて比較していきます。
また、職場によってどのような違いがあるのかも解説していくので、管理栄養士や栄養士の年収について知りたい人は参考にしてください。
管理栄養士と栄養士は違う?
そもそも管理栄養士と栄養士は、どのような仕事を行っているのでしょうか?
管理栄養士は、病院や保育園、学校や個人などに対して栄養面や食事に関しての管理を行うのが仕事です。
職場によって仕事内容が異なる部分もありますが、主に食事や栄養指導、献立の作成や調理、食材の発注作業や栄養計算、衛生管理などが中心です。
国家試験に合格しないと資格は取得できません。
一方の栄養士も管理栄養士と同じように栄養のスペシャリストなので、栄養学に基づいた献立の作成やアドバイスをします。
しかし、栄養士は養成施設での2年以上の経験がないと得られない資格ですが、その後国家試験を受ける必要はありません。
また、管理栄養士は医療機関での栄養指導が可能ですが、栄養士は患者様に対して専門的な栄養指導はできません。
似ている資格名や職種ですが、細かな部分で違いがあるということです。
管理栄養士・栄養士の平均給与や年収
ここまで管理栄養士と栄養士の仕事内容や資格の違いを紹介してきました。
続いて、管理栄養士・栄養士の年収についてみていきましょう。
・年齢:37.4歳
・勤続年数:8.4年
・給与額:約26万円
・年間賞与額:約61万円
(参考:賃金構造基本統計調査 /令和2年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種)
厚生労働省のデータによると、管理栄養士・栄養士の資格保有者の平均給与と賞与額は上記の通りであり、計算すると年収は約434万円です。
これは年齢や勤続年数などを平均化したものであり、年齢や勤続年数が少ないほど給与も低くなる傾向です。
役職が付くと手当てなども増えますが、管理栄養士の方が国家資格となるので給与も高くなるでしょう。
また、厚生労働省からは賃金構造基本統計調査から能力や経験に応じた値も公表されています。
・基準値(0年):1,055円
◎基準値に能力・経験調整指数を乗じた値
・1年:1,206円
・2年:1,307円
・3年:1,359円
・4年:1,419円
・5年:1,594円
(参考:令和2年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算))
勤続年数が経過することで年収も高くなっていくことがわかります。
基準はそれぞれの企業や資格によっても変わりますが、管理栄養士・栄養士としてのキャリアアップが年収にも反映される傾向にあります。
企業の規模が年収にも関係する
管理栄養士や栄養士の年収は、企業規模によっても左右されます。
◎基準値に能力・経験調整指数を乗じた値
・10〜99人:約24.5万円
・100〜999人:約25.5万円
・1,000人以上:約26.8万円
(参考:厚生労働省 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計))
管理栄養士や栄養士の資格だけでなく、企業の規模によっても年収で大きな差が生じることがデータからわかりました。
企業の規模が大きいほど、年収も高くなる傾向にあります。
また待遇や福利厚生の面でも、企業規模の大きさが関係してくる場合もあるでしょう。
管理栄養士や栄養士として働きながら年収アップを期待したいなら、企業規模もチェックするのがおすすめです。
管理栄養士と栄養士の年収も違う?
これまで厚生労働省で公表されているデータは、栄養士のジャンルに管理栄養士も含まれていました。
そのため、正確な管理栄養士と栄養士の年収の違いを把握するには企業の求人や年収から平均的なデータを計算する必要があります。
今までの傾向から、管理栄養士は平均330万円〜500万円程度、栄養士は平均290万円〜410万円程度であることが多いです。
同じような職種に分類されていても、結果的に管理栄養士と栄養士では資格の違いから年収の違いがあることがわかります。
さらに、企業によっても働き方や仕事内容が異なるため、年収にも差が生じるのが現状です。
管理栄養士や栄養士が年収をアップさせるには?
管理栄養士や栄養士が年収をアップさせるには、どうしたら良いのでしょうか?
ここでは、年収をアップさせるための方法を紹介します。
管理栄養士
管理栄養士は食や栄養のスペシャリスト。医療機関などを中心に活躍できる資格です。
Point
近年、スポーツジムやフィットネスクラブなどでは、ボディメイクやダイエット目的のプログラムを加えている所もあり、このジャンルの注目度も高まっています。
さらにスポーツジムやフィットネスクラブならより身近に感じやすいため、出店数やサービス内容も充実しています。
管理栄養士の資格があると、病院や施設などの栄養管理以外にスポーツジムやフィットネスクラブでのアドバイスなども可能です。
知識や経験を活かせるだけでなく、この先の高齢者社会に向けてもさらに需要が高まると予想できます。
栄養士
栄養士として、勤続年数を重ねていくことで年収アップも期待できますが、管理栄養士の資格を取得するとより効率アップが見込めるでしょう。
企業によって差は生じますが、1万円程度の資格手当が見込めるケースもあります。
Point
また、栄養士として働きながら管理栄養士の資格を取得することもできます。
栄養士として1〜3年の実務経年を積むと、管理栄養士の国家試験が受けられるため、年収やキャリアアップ目的で管理栄養士を目指すのもおすすめです。
他にも、企業への転職や民間資格の取得が年収アップの道でしょう。
美容関連でも管理栄養士・栄養士の年収は上がる?
管理栄養士や栄養士は、そのジャンルから食に直接関連する場所で活躍すると思われがちです。
しかし、管理栄養士や栄養士の資格は美容業界でも役立ちます。
なぜ、美容業界でも管理栄養士や栄養士の資格を活かせるのでしょうか?
その理由は、食べ物などが体の状態を左右するからです。
人間の体は、摂取した食べ物などによって成り立つだけでなく、栄養素が体の機能や健康を支えています。
それと同じように、肌や体の状態も栄養と大きく関係しています。
美しい肌や体を作ったり維持したり、また健康的な体を目指すためのダイエットをするためにも食事の存在が重要なポイントです。
Point
そのため、美容業界でも食のスペシャリストである管理栄養士や栄養士の資格を求めている所が多くなっているのです。
管理栄養士や栄養士は、食や栄養のプロなので体の内側からキレイにするためのサポートやアドバイスをするために欠かせません。
これらの理由から、美容業界では管理栄養士や栄養士を求めているため、年収も高い傾向です。
年収やキャリアアップを目指している管理栄養士や栄養士は、美容業界の動向もチェックしてみましょう。
まとめ
食や栄養に関する知識を持つ管理栄養士や栄養士は、病院や施設、保育園や学校など食と関連する場所で求められてきました。
管理栄養士と栄養士では、国家資格の有無の違いによって年収面でも差が生じていますが、どちらも食や栄養に関してのプロであることは変わりません。
それでも年収やキャリアアップを目指している場合は、さらなる資格や知識を習得するだけでなく、働く場所を変えるのも良いでしょう。
最近は、管理栄養士や栄養士の資格が美容業界でも求められています。
資格を活かして働きたい、年収アップを目指したいなら美容業界もチェックしてみましょう。