管理栄養士による栄養相談の重要性。指導の流れや目標達成のポイントを解説

管理栄養士 相談

管理栄養士の仕事内容には、栄養相談や栄養指導などがあります。
病気を抱えている人のみならず健康な人まで、食事や栄養面で課題を抱えている人や不安な要素がある人は一定数います。
その不安を解決してあげるためにも、栄養相談や栄養指導は不可欠です。

そこで今回は、栄養相談の目的や指導をする流れ、栄養相談を実施する際のポイントなどを解説していきます。
栄養相談や栄養指導を実施している職場についてもご紹介していくので、管理栄養士として栄養相談を仕事にしたい人や職場探しをしている人はぜひ参考にしてください。

管理栄養士が実施する栄養相談の目的

栄養相談の目的は相談をする人によって違いがあります。
病気を患っている人であれば、疾病が進行しないためにもバランスの摂れた食事に関する指導を実施します。
高血圧や糖尿病といった病状に合わせた指導が大切です。
美容を目的とした栄養相談であれば、体の中から綺麗になるために必要な栄養素やバランスの摂れた食事の指導などを実施していきます。
時には調理法や食べ方のコツなど、健康的な食生活に向けてのアドバイスを行います。

また、年齢に応じた指導も重要です。
子どもであればアレルギーを考えた食生活のアドバイスを行い、高齢者であれば嚥下機能や食欲の低下に不安があるため、抱えている悩みや相談に応じた指導を実施していきます。

食事指導

健康や美容を問わず、食事や栄養に関する知識では正しい情報の習得が必要です。
間違った情報を鵜呑みにして実行してしまうと目的を達成できないので、栄養のプロでもある管理栄養士による相談や指導が欠かせません。
相談後には自らで管理して過ごせるよう、的確なアドバイスをしてあげましょう。

栄養相談・栄養指導の流れ

栄養相談や栄養指導を行う場合の流れを解説していきます。

1.対象となる人物の状態をチェックする
2.栄養指導の実施
3.評価や継続指導の実施

まずは、対象者からの相談内容やヒアリングでこれまでの食生活を理解します。
的確なアドバイスを行うためにも抱えている疾患があれば報告してもらう必要があります。

そしてヒアリングの内容から対象者の状態に合わせた指導を実施します。
対象者がアドバイスを実行後、評価を行い、必要であれば継続的に指導をしていく流れです。
改善点があれば指導を繰り返すことで目標の達成が期待できます。

管理栄養士が行う栄養相談のポイントとは

栄養相談や栄養指導を実施する際には対象者の状況に合わせた内容でアドバイスを行えば、効果的な栄養指導を行えます。
成果を出すためにも、以下のポイントに気を付けながら相談や指導を行いましょう。

ポイント

病気に合わせた提案

前述したように、栄養相談や栄養指導では病気に合わせた提案の実施が不可欠です。
人によって抱えている病気は違うので、病状に合わせた的確なアドバイスが必要です。

そのためにも、症状に関する基礎知識や栄養療法について詳しく把握しておかなければいけません。
病院での栄養相談であれば、医師と連携をとりながら指導を実施していきましょう。

子どもに対してはアレルギーの有無に注意

アレルギー

子どもが対象の栄養相談や指導の場合は、年齢に応じた栄養のアドバイスが重要だと考えられますが、アレルギーの有無にも注意してください。

子どものアレルギーを理解しないまま指導を実施した場合、アレルギー反応を起こして深刻な事態を招く危険性があります。
子どもの年齢によっては摂取していない食品もあるため、未摂取の食材は避けて指導を実施する、保護者に入念な確認をとるといった点が重要です。

また、中には好き嫌いが多く偏食な子どももいます。
その場合、食材によっては拒否されて食べられないケースもあるため、食べやすいよう工夫した献立やメニューを考える必要もあります。
肥満や痩せといった児童に多く見られる悩みにも的確なアドバイスが実施できるよう、栄養指導に関する知識やスキルの向上は欠かせません。

やる気を引き出す

栄養相談を実施し、指導を行う際には対象者のやる気をいかに引き出せるかがポイントです。
いくら的確なアドバイスを実施したとしても、対象者のやる気がなければ効果を期待できません。
厳しく指導してしまえば面倒に感じてしまうので逆効果です。

相手が問題点に自分で気付き、改善できるようやる気が持てれば継続もしやすくなります。
対象者のやる気を引き出すためにも一方的な栄養指導は実施せず、「手伝う」「協力する」といったスタンスでのアドバイスが大切です。

アドバイスは一気に行わない

対象者が間違った食生活をしていた場合、改善してもらいたい思いから一気にアドバイスを実施する人もいます。
しかし、一度に多くのアドバイスをされると相手はやる気を失ってしまいます。

中には自暴自棄になり、指導された内容とは真逆のことを実施してしまう人もいるため、ステップを踏んだアドバイスの実施が重要です。
少しずつ改善できるようアドバイスを行い、モチベーションを維持できるよう改善できた部分があれば褒めることも大切です。

関係性が重要

栄養相談や栄養指導はコミュニケーション能力も重要な要素です。
指導をする際には、対象者が抱える問題点を聞き出し、的確なアドバイスを行う必要があります。

Point

しかし、相手の問題となる行動や食事方法が理解できなければ、解決を目指せる方法を伝授できません。
適切な指導を実施するためにも、信頼関係を構築して悩みを相談しやすい環境を作り上げましょう。

そのためにも対象者の緊張をほぐすことは大切です。
笑顔を心掛けるだけではなく、身だしなみや言葉遣いにも気を配りましょう。
挨拶は必ず行い、自己紹介を実施してお互いを知ることも大切です。

カウンセリング

また、話し方は「ゆっくりハキハキと」を心掛けてください。
特に高齢者は小さい声だと聞き取りにくいので、声のボリュームにも注意しましょう。
緊張すると早口になってしまう人は多く、会話のつなぎとして「あの」や「えっと」といった言葉が出やすくなってしまいます。
聞き取りにくくなってしまうため、まずは自分がリラックスして話すことを心掛けましょう。

栄養相談・栄養指導を実施する職場

栄養相談や栄養指導を行う職場は学校や医療機関など、様々な施設があります。
管理栄養士として栄養相談を仕事にしたい場合は、以下を参考に最適な職場探しをしてみましょう。

医療機関


病院では、特定の患者さんを対象に個別の栄養指導や集団の栄養指導が実施されます。
病気を患っている人や妊婦さんや出産後の栄養指導など、対象者は様々です。
それぞれに合わせた相談や指導を実施する必要があります。
疾病のある患者さんが対象の場合は、医師や看護師、薬剤師と一緒にチームを組み、栄養管理を行うケースもあります。

行政

地域に住む人々の健康促進を目的とした栄養相談や指導を実施します。
乳児健診での離乳食のアドバイスや地域住民が対象の保健指導を行い、食生活に関する指導を行います。
時には集団指導のイベントを企画し、実施する仕事もあります。
地域に住む人たちのニーズに合ったイベントが開催できるよう、考えなければいけません。

美容施設

エステサロンといった美容施設でも管理栄養士による栄養相談は実施されています。
エステでは、施術によって外側から綺麗になることを促しますが、管理栄養士がいれば体の内側から綺麗を目指せる内面美容も行えます。
便秘や肌荒れといった悩みに対して的確なアドバイスができるよう、美容に関する知識も必要です。

管理栄養士といっても仕事内容は多く、時には対象者に合わせた栄養相談や栄養指導を実施することがあります。
相手にとって最適なアドバイスができれば、目的の達成へと大きく貢献できる仕事です。

しかし、良好な関係性を築けなければ、対象者のやる気を引き出すことはできません。
今回ご紹介した内容を参考に、栄養相談や栄養指導を実施してみましょう。

また、栄養相談ができる仕事は多くあります。
行政や美容施設など、自身に合った就職先や転職先を見つけ、たくさんの人たちの相談に乗り、目標達成へ進むためのアドバイスを実施してみてください。

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