ブランクのある管理栄養士が復帰に向けてやるべきことは?

管理栄養士は国家資格であるため、一度仕事から離れてブランクが空いてしまったとしても、再び管理栄養士として復帰しやすいとされています。
しかし、実際に復帰するとなると、「以前と同じように働けるだろうか」「再就職先に馴染めるだろうか」と不安になる方もいるでしょう。
そこで、今回はブランクのある管理栄養士が復帰に向けてやるべきこと、復帰を成功させるためのポイント、ブランクがあっても再就職しやすい職場をご紹介していきます。
管理栄養士への復帰・再就職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ブランクのある管理栄養士が復帰に向けてやるべきこと


管理栄養士として難なく復帰・再就職を果たすためには、ある程度の事前準備が必要です。
まずは、ブランクのある管理栄養士が復帰に向けてやるべきことを3つご紹介します。

基礎知識のおさらい

管理栄養士として仕事復帰するためには、ブランクを埋めるための努力が必要です。
たとえ、元の職場に復帰する場合であっても、ブランクが長ければかつての感覚を取り戻すには時間がかかります。
新たな職場に再就職する場合はなおのこと、できるだけスムーズに職場へ馴染むためには事前準備が欠かせません。
復帰直前になってから一気にやろうとすると、意外に忘れている知識が多く間に合わない可能性もあるため、ある程度余裕をもって隙間時間に少しずつ栄養学や衛生管理などの基礎知識をおさらいしておくようにしましょう。

最新の制度や法律、トレンドの確認


栄養や食事、衛生・安全管理などに関するガイドラインや法律は、頻繁に見直しや改定が行われているので、基礎を復習するとともに最新知識へアップデートすることも重要です。
例えば、栄養士に関連するガイドラインや法律で近年、見直し・改定が実施されたものには、以下のようなものがあります。

◎日本人の食事摂取基準
日本人の食事摂取基準は、厚生労働省が策定しているガイドラインで、数年おきに改定されています。
2025年版の改定案では、生活習慣病や高齢者の健康維持に重点を置き栄養素の目標量・推奨量の見直しが行われた他、骨粗しょう症予防のための基準が追加されています。
また、「ビタミン・ミネラルの摂取基準改定」や「生活習慣病に肥満や痩せが関連していることの明確化」なども特筆すべきポイントです。

◎食品表示法
食品基準法も消費者庁によって定期的に改定されています。
直近の2022~2023年にも、アレルギー表示や遺伝子組み換え表示、機能性表示食品の表示、食品添加物の表示など、多くの項目について見直しと強化が図られました。

認定資格や民間資格の取得


管理栄養士としてのブランクを埋めるためには、栄養士や管理栄養士のキャリア支援を目的とする認定資格を取得することもおすすめです。
例えば、公益財団法人日本栄養士会が認定する認定管理栄養士または認定栄養士の資格を取得すると、臨床栄養や学校栄養、給食栄養、健康・スポーツ栄養、公衆栄養などの各専門分野において責任をもって栄養指導を行えるレベルに達している証となります。

Point

ただし、認定を受けるには栄養士や管理栄養士として5年以上の実務経験があることや、特定の基幹教育を60単位以上取得していることなどの厳しい条件があります。

仕事復帰までそこまで余裕がないという方は、通信講座で取得できる民間資格を検討してみても良いでしょう。
復帰を目指す職場に合わせて、食育インストラクターや幼児食インストラクター、スポーツ栄養スペシャリスト、薬膳マイスターなどの資格を習得すれば、復帰後に社内評価がアップしたり、再就職の際に有利になったりすることが期待できます。

ブランクのある管理栄養士が復帰に成功するためのポイント


ブランクのある管理栄養士が復帰に成功するためのポイントは、元の職場に復帰する場合と新たな職場に復帰する場合で異なる点もあれば、共通する点もあります。
自身の状況に合わせてチェックしてみてください。

元の職場に復帰する場合

産休・育休などが明けて元の職場に復帰する場合、ブランクが1年程度だとしても、その間に社内体制が変わっている可能性もあります。
また、自身のライフスタイルも変化したことで、休職前と同じ勤務時間や業務内容では働けないことも予想されます。
そうした状態でもスムーズに職場へ復帰するためには、事前に会社と十分な話し合いを行っておくことが重要です。
加えて、子供の急病などにも対処しやすいように、パートナーや両親などから協力を得られる体制を整えておくと良いでしょう。

新たな職場に再就職する場合


管理栄養士として新たな職場に再就職する場合、ブランクがあったとしても即戦力を期待されることが多いです。
基礎知識のおさらいや最新情報のインプットはもちろん、再就職する企業に対してアピールできる自分の経験やスキルについても考えておく必要があります。
もし、再就職する上で足りないスキルがあると感じる場合は、そのスキルを勉強したり資格を取得するなどして補っておくようにしましょう。
また、自分の経験、スキル、強みを効果的にアピールするためには、十分な面接対策も欠かせません。

どちらにも共通するポイント

元の職場に復帰する場合、新たな職場に再就職する場合のどちらにも共通する成功のためのポイントは、復帰までに生活リズムを安定させておくことです。
仕事から離れている間に、生活リズムが乱れてしまう方は少なくありません。
働き始めれば徐々にリズムも整ってくるだろうと考える方もいるでしょうが、一度乱れたリズムはなかなか元には戻らないものです。
就寝時間が遅くなっている場合は、朝起きる時間を一定にすることで体内時計が正常化しやすくなります。
仕事へする復帰までに生活リズムを整え、万全な体調で仕事に望めるようにしておきましょう。

ブランクがあっても再就職しやすい管理栄養士の職場

最後に、ブランクがあっても再就職しやすい管理栄養士の職場をご紹介します。

管理栄養士 栄養士

介護福祉施設

介護福祉施設では、多くの施設が慢性的な人手不足に悩んでいるため、ブランクのある管理栄養士でも転職しやすい職場のひとつです。
入居者一人ひとりの状態に合わせた献立作成や家族に対する栄養管理説明、食材の選定・発注・在庫管理などが主な業務となります。
入居者の中には持病がある方も多く、慎重な判断が求められることもあるため、管理栄養士としての豊富な知識や経験を活かしたい方にはピッタリな再就職先と言えます。

スポーツジム


近年、人々の健康意識の高まりや、運動と食事の両方から利用者の健康をサポートするパーソナルジムの増加などによって、スポーツジムやフィットネスジムでも管理栄養士の需要が高まっています。
そのため、ブランクのある管理栄養士でも活躍できるチャンスがあります。
スポーツジムでの主な業務内容は、利用者の目標に合わせたプログラムの作成、個別の栄養相談や食事のアドバイス、栄養セミナーの開催などです。
スポーツジムへの再就職を有利に進めるためには、スポーツ栄養に関連する資格を取得しておくと良いでしょう。

美容サロン

体の内側から調子を整えて美や健康を目指すインナービューティへの注目度が増していることもあり、美容サロンでも管理栄養士を募集するケースが増加しています。
「管理栄養士として再就職を考えているけれどブランクがあって不安」という方は、美容サロンも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
美容サロンにおける管理栄養士の主な業務は、お客さんのカウンセリング、悩みに応じた食事のアドバイス、コース内容・料金の説明などです。

接客がメインになるため、ブランクがあってもコミュニケーションスキルが高ければ採用してもらえるケースも多いです。

さらに採用の確率を高めるには、美容関連の資格を取得しておくことをおすすめします。

今回は、ブランクのある管理栄養士が復帰に向けてやるべきこと、復帰を成功させるためのポイント、ブランクがあっても再就職しやすい職場をご紹介しました。
一度仕事から離れてからブランクがあると、以前のように働けるのか、再就職できるのかといった不安を抱く方は少なくありません。
しかし、管理栄養士は国家資格であり栄養と食事のエキスパートなので、様々な業界から必要とされています。
そのため、ブランクがあっても栄養や衛生・安全管理などに関する知識の復習やアップデートを続けていれば、比較的スムーズに元の職場へ復帰したり新たな職場へ再就職したりできるでしょう。
これまでの経験やスキルを活かして別の業界・職種に転職し、心機一転を図るのもおすすめです。

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