管理栄養士には様々な働き方がありますが、その中には美容クリニックで働くというケースもあります。
実際に美容クリニックで管理栄養士として働いた場合、どのような役割を担うことになるのでしょう?
今回は美容クリニックでの役割から、向いている人・向いていない人の特徴なども含めてご紹介していきます。
1.美容クリニックとはどういったところ?
栄養は健康だけではなく、美容にも関わるものなので美容クリニックでは管理栄養士の資格を持つ人を採用することもあります。
そもそも美容クリニックは一般的なクリニックとどのような違いがあるのでしょうか?
まずは管理栄養士が美容クリニックに就職する際の働き方とご紹介していきます。
夜勤がない、残業も少ない
一般的なクリニックは緊急な治療を求める患者のために夜勤があり、仕事量も多いので残業が頻繁にあることも珍しくありません。
その一方、美容クリニックはほとんど入院設備がない、もしくは診療所ぐらいの規模なので病院に定義されてないので宿直は基本的にないです。
診療に関しても予約制がほとんどなので、長時間に及ぶ残業もめったにないでしょう。
なので、家庭を持つ主婦も安心して働くことができます。
休日に関しても比較的に安定していますが、ほとんどの美容クリニックは土日や祝日、お盆、年末年始も営業しているため、祝日や夏季・冬季休暇は少なくなることもあるので理解しておきましょう。
美容クリニックでの管理栄養士の仕事内容
管理栄養士の場合、クリニックの本社であれば独自の美容商品や美容食関係の開発に携われることがあります。
クリニックのスタッフとして働く場合は、カウンセリングスタッフとして利用者へ施術内容や料金の説明をはじめ栄養アドバイスや栄養管理を行い、他にも受付対応などの雑務が中心です。
美容機器の扱いや医師の補助など看護助手の知識や技術があれば施術の方でも活躍が求められるでしょう。
施術に関わるスキルがあれば就職も有利になり、活躍の幅も広がるのでおすすめです。
給料は30万円が平均月給
地域や年齢にもよりますが、美容クリニックの平均月給は30万円前後となっています。
大都市であれば30万円以上の美容クリニックも多いようです。
通常の管理栄養士は就職先によって異なりますが、平均年収が300万円から400万円となっています。
そうなると平均月収は25万円から33万円になるので、ただ管理栄養士として働くより美容クリニックへの就職する法が高額な給料を手にできる可能性があります。
2.美容クリニックでの管理栄養士の役割
では、管理栄養士が美容クリニックで働く場合、どのような役割を担うのでしょう?
患者の栄養指導を行うことが役割
管理栄養士の役割と言えば、患者の栄養指導です。
美容クリニックに訪れる人の中には、スキンケアに悩みを持った方やダイエットしたいのになかなか痩せられずに困っている方など、様々な人が訪れます。
そんな方のために手術や処方箋といった治療だけではなく、カウンセリング時に一人ひとりの生活習慣・食習慣を聞いて適切な栄養指導をしていきます。
食事内容を少し変えただけでも肌質が改善したり、ダイエットにつながったというケースも少なくありません。
特に管理栄養士の場合は、人体に関する知識も持っているためアドバイスできることも多いでしょう。
栄養指導の際に気を付けたいこと
健康的に美しくなるためには日頃の食生活も見直してみる必要があります。
食生活を見直す時は、必ず1食だけ、1日だけの食事内容を見るのではなく、平均的な食生活を見ることが重要です。
こういった部分は、例えば病院で栄養指導する際にも同じことが言えるため問題ないでしょう。
美容クリニックだからと言って特別な方法で栄養指導するわけではないので、基本的な知識はしっかりと頭に入れておくべきです。
ただし、あくまでも美容クリニックでの栄養指導となるため、患者が悩んでいることを優先して改善させられるような栄養指導を行う必要があります。
トータルで栄養指導してしまうと患者もいくつも改善しなくてはいけなくなってしまい、続けることも難しくなってしまうでしょう。
少しずつ改善してもらうためにも、まずは患者の悩みを解消できる栄養指導から入り、それが習慣化されて他にもできるようになれば再び指導していくようにすると、患者も長く続けられやすくなります。
食生活全体が改善されれば、美しさはもちろん健康にも近づけます。
これが美容クリニックで働く管理栄養士の役割と言えるでしょう。
3.管理栄養士の資格でないと働けない?
似ている資格として管理栄養士と栄養士がありますが、美容クリニックで働く場合、管理栄養士の資格でないといけないのでしょうか
栄養士も働くことは可能
美容クリニックには必ず管理栄養士を置くようにするという必置義務はありません。
従って、栄養士しか資格を持っていなくても働くことはできます。
しかし、実際に美容クリニックで応募されているものを見ると、栄養士で応募しているものは少ないです。
なぜ栄養士の求人が少ないのか?
この理由として、やはりクリニックである以上より知識が豊富な管理栄養士の方が栄養指導に向いていると判断されている可能性が高いことが言えるでしょう。
もちろん、栄養士も食に関するスペシャリストではありますが、管理栄養士の方が治療という観点での知識をより多く持っています。
管理栄養士が働けば、より患者からの信頼性も高まる場合もあります。
ですから、栄養士ではなく管理栄養士の求人が多くみられるのです。
必ずしも管理栄養士の資格を持っていなければいけない、というわけではありませんが、管理栄養士は国家資格でもあるため、信用性の高さが伺えます。
患者にとっては幅広い知識を持つ方に栄養指導してもらいたいと考えている方もいらっしゃるかと思うので、やはり美容クリニックで働くなら管理栄養士の資格を持っている方が有利になりやすいと言えるでしょう。
4.美容クリニックに向いている人・向いていない人
管理栄養士は美容クリニックでも需要が増えていますが、中には向かない人もいるようです。
どのような人が美容クリニックに向いているのか、その特徴をご紹介します。
少ない時間で情報収集できる人
美容クリニックでは施術前にカウンセリングが行われますが、その時間は10分から20分程度です。
基本的に予約制なので施術時間や利用者のプライベート時間を削ってまでカウンセリングの時間を延ばすことはできません。
適切な栄養指導を行うためにも、少ない時間で正確な情報収集をする能力が求められます。
利用者の話をしっかり聞けること
美容クリニック自体は栄養指導を行う場所ではないため、食事以外の話もすることになるでしょう。
その中には世間話や美容に関するコンプレックスを打ち明ける機会も多いです。
特にコンプレックスや施術への不安への対応は利用者に安心してもらうためにも欠かせない要素です。
利用者の話をしっかり聞いて適切なアドバイスや回答ができる人が向いています。
分かりやすく話すことができる
ヒアリング力だけではなく、コミュニケーション能力も重視されます。
栄養の分野は難しい用語なども多く、それを単純に伝えても理解できる人はわずかです。
利用者が背景を理解できない説明は栄養指導の意味をなくしてしまうので、分かりやすく説明することが特な人も向いているでしょう。
チームの連携を大切にする人
美容クリニックによって異なりますが、基本的に医師や看護師、スタッフとチームを組んで利用者をサポートすることが多いです。
一般的なクリニックとは違い職員の数も少ないので、チームワークを乱す人は仕事に支障をきたす恐れがあります。
協調性があり、情報を的確に共有できる人が向いているでしょう。
美容クリニックで働く場合、主に栄養指導を行うという役割があります。
医療機関なので栄養士にはできない、詳細な栄養指導も管理栄養士の場合は可能となります。
施設で大人数の指導を相手にするよりも、一人ひとりにきちんと向き合った栄養指導を行いたいという方は、美容クリニックでの仕事を目指してみてはいかがでしょうか。