幸せと健康を高めるために取り組むウェルネスは、いきいきと生活していくために注目されています。
1960年代にアメリカで提唱されて以降、病気か健康かという概念ではなく、いきいきとした人生を豊かにするために目指すものとして浸透してきました。
そんなウェルネスは栄養学や美容との関係も深い存在です。
ここでは、ウェルネスが何かに加えて管理栄養士としてアドバイスできる内容や活躍できる環境についてご紹介します。
ウェルネスとは?
ウェルネスは、新しく健康を広く捉えた概念です。
1961年にアメリカのハルバート・ダン医師によって提唱され、その後1977年には全米ウェルネス協会が発足するほど普及してきました。
病気か健康かどうかに限定するのではなく、輝くようにいきいきする状態がウェルネスの根底にあるとして、その姿勢や志向を高める取り組みが始まりました。
歴史が流れ、様々なスタイルに変わりつつある現代であっても、根っこの部分に「輝く人生が送れるように目指す」姿は今でも変わらず残っています。
そのため、体の内側からキレイになるための内面美容や健康的な食事を目指す栄養なども注目されているということでしょう。
時代の変化が日本の危機になる可能性がある
ウェルネスの構成要素は、「身体・精神・感情・職業・知性・社会」であるとしています。
現在はこの6つから派生したものも含まれていますが、根底にあるのはこれらであり、バランスよく満たされていることが豊かな人生に欠かせないものとなっているでしょう。
しかし、社会や文化などの環境によって変化してしまうのが「食」に関するものです。
Point
主要先進国では全粒穀物の摂取が食事のガイドラインに含まれていますが、日本では伝統的な食文化によって必要な栄養素が摂取できると世界から注目されているものの、現在は消費量が落ち込んでいるとされています。
よりウェルネスを意識させるには栄養学がポイント
健康への意識が高い場合、体を作るための必要な栄養などを意識的に摂取している方もいます。
しかし、意識せずに好きなものだけを続けてしまうと結果的にウェルネスから遠ざかっていってしまうでしょう。
そこで注目したいのが栄養学です。
管理栄養士などで栄養学を身に付けていると、美容やウェルネス業界で知識を活かせられます。
私たち人間は、生命維持に栄養が欠かせませんが食べる物によって摂取できる栄養が異なります。
また、食べ物をどのような形で調理するかによって健康に関係してくるかも変わってきます。
栄養学は人間と食べ物の関係を学ぶことができ、これによって健康的で豊かな食生活が実現できるようにサポートする側にもなれるのです。
つまり、栄養学を学ぶことは食に関する職業を目指せるだけでなく、美容やウェルネス業界でも活かせる資格ということです。
美容と栄養学の関係も深い
栄養学はウェルネス以外にも美容との関係も深くなっています。
健康でいきいきと輝く人生がウェルネスですが、健康的で美しい肌を手に入れるのが本物の「美」です。
肌は表面だけ良いものを与えていても、根底となる体が元気でないと肌も美しくなることができません。
Point
この考えを内面美容とも言いますが、実際に肌も体の一部であり、美しい肌に変えていくには肌を作る栄養を知って取り入れることです。
車に例えればガソリンであり、これがないと車は動きません。
それと同じで、どんなに高級な化粧品を使っていても肌を美しくするための栄養を知って取り入れることで肌が次第に元気になっていくのです。
栄養学は美しさを得るため、維持するためにも欠かせない知識であるということです。
管理栄養士がウェルネス業界で活躍できる?
栄養に関するプロとなる管理栄養士は、ウェルネス業界で活躍することで老化抑制の力になれる可能性があります。
バイオマーカーを使用した生物学的な老化ペースの研究では、老化促進に関係するタンパク質が年齢によって増えるという内容が発表されました。
その年齢は34歳、60歳、78歳であり、最初のピークが訪れる前に老化を抑えることができればその後以降の老化も緩やかになっていく可能性があると考えられています。
ニュージーランドの研究では、ダニーデンに住む約1000人を対象にして老化進行の観察をしたところ、老化が早いと見た目も老いて見えることも実証されました。
さらに、老化ペースの早い人は見た目だけでなく、脳の老化として認知機能の低下、運動機能の低下などの特徴もあるとされています。
この老化抑制に関する考えや視点を、ウェルネス業界で管理栄養士から伝えていくことで、健康に対しての意識を変化させることができるだけでなく、将来の健康に対しての投資も期待できるとされています。
そのため、管理栄養士こそウェルネス業界で今後活躍が期待できる可能性が高いと言えるでしょう。
管理栄養士がウェルネスや美容を伝えていくには?
管理栄養士は、栄養についての知識や経験を持っています。
そんな管理栄養士が今後ウェルネスや美容に関しての正しい知識を伝えていくには、どのような環境で活躍する必要があるのでしょうか?
内面美容に特化した環境
内面美容もウェルネスと関係の深いものとなります。
内面美容はインナービューティーとも呼ばれていて、体の内側の状態に加えてメンタルなどを整えていくことで体の中も外も美しくなれることを目指すものです。
世界でも注目されていて食事やサプリメント、ファスティングなどで健康を基本とした美しさを定義にしています。
また、内面美容は人間の健康寿命延伸にも貢献しているので、ウェルネスとの関係も感じられるでしょう。
フリーランス
ウェルネスと美容の関係性は深いものですが、管理栄養士として特定の企業や業界で活躍している場合、これらの両方を伝えていくのが難しい場合もあるでしょう。
Point
フリーランスなら、働く時間をコントロールできるだけでなく、美容とウェルネスを伝えられる講演活動、セミナー講師などもできます。
地域のコミュニティで管理栄養士の知識を活かして栄養指導を行うこともできるので、自分のウェルビーイングに忠実になれるでしょう。
公認ウェルネス栄養指導士
認定資格となる「公認ウェルネス栄養指導士」は、栄養指導を学びながら体の悩みを解消できるものです。
既に管理栄養士の資格があれば、取得にかかる時間もスムーズになるでしょう。
公認ウェルネス栄養指導士は、症状を確認しながら栄養指導をしたり、エステなどの美容関連業界でも悩みに合わせてアドバイスできたりします。
健康な体を作り上げるためのサポートができる認定資格なので、管理栄養士のスキルアップとしても活用できます。
今回は、管理栄養士とウェルネスの関係性に加えて、栄養学や美容についての内容を紹介してきました。
ウェルネスは、輝く人生が送れるように目指すものであり、内面美容や栄養などとも深く関係しています。
時代の流れによって、日本人には不足している栄養などがあることがわかり、これからも健康で人生を送るには栄養学が欠かせません。
管理栄養士は栄養学と美容、ウェルネスなどをアドバイスしていける職業です。
管理栄養士として活躍している方は、ウェルネスや美容に関しても注目してみましょう。