管理栄養士の資格は取得できたものの、進路で迷っているという方は少なくありません。
なぜなら、管理栄養士が活躍する職場はハードなところが多いからです。
ハードな仕事をやり切るためには、やりがいや達成感を感じられる職場を選ぶことが大切です。
今回は、新卒管理栄養士に人気の進路や美容施設で働く管理栄養士についてご紹介します。
新卒の管理栄養士に人気の進路って？
まずは、新卒の管理栄養士に人気の進路を見ていきましょう。
病院
全国栄養士養成施設協会によると、令和5年度新卒管理栄養士の36％が病院へ就職しています。
病院は管理栄養士の進路の定番で、自分の栄養管理が治療の一環になることに対してやりがいを感じられるところが人気の理由です。
しかし、患者の中には嚥下機能が低下している人や、禁忌となる食品がある人も多くおり、プレッシャーを感じやすい職場でもあります。
そのため、調理技術を積んでから病院へ転職する管理栄養士も多いようです。
企業
企業へ就職した新卒者は30.8％です。
企業の中でも食品メーカーは特に人気があります。
食品メーカーにおける管理栄養士の業務内容には、商品開発、品質管理・規格書作成、顧客対応などが挙げられます。
Point
商品開発に配属されれば、自分のアイデアが世に出る可能性が高まる点も食品メーカーならではの特徴です。
委託給食会社など
委託給食会社へ就職した新卒は10.3％です。
委託給食会社が提供するサービスは、医療機関、介護福祉施設、企業、学校、保育園の給食に関する業務を請け負うという内容になっています。
管理栄養士は派遣された施設で、食材の発注から配膳、片づけなどを行います。
委託給食会社は調理経験を積みやすい職場として知られている上、手厚い教育制度や研修が用意されていることから、病院、企業に次いで人気があるのが特徴です。
医療機関や学校などと連携していることから、安定した雇用が期待できるという点も委託給食会社が選ばれる理由でしょう。
介護保険施設
規模の大きな施設では、管理栄養士の配置が欠かせないこともあり、資格が就職に有利に働きやすいです。
介護保険施設には、終身で入居する高齢者もいます。
入居者と深いかかわりを持ちたい、長く寄り添いたいという思いから介護保険施設を選択する管理栄養士も多いようです。
Point
入居者に食を楽しんでもらえるような工夫が必要など、やりがいを感じられるシーンが多くあります。
進路に迷ったら美容施設を検討しよう
管理栄養士の進路で定番化しているのは病院や介護保険施設ですが、プレッシャーに耐え切れず、早い段階で転職を決意する新卒者は多くいます。
前知識によって、定番の就職先を選択するのか躊躇している方も少なくないでしょう。
とはいえ、資格を活かせる職場でなければ、一生懸命資格の勉強をした意味がなくなってしまいます。
そんな時におすすめの就職先が、美容施設です。
管理栄養士が活躍できる美容施設には、次のようなものが挙げられます。
・美容クリニック
・美容サロン
・フィットネスクラブ
・パーソナルジム
・インナービューティに特化した飲食店
近年、スキンケアなどと同じくらいインナービューティ（内面美容）を重視する方が増えています。
インナービューティとは、食事や栄養、運動、睡眠などの生活習慣を改善し、健康と美容を追求する考え方です。
基本的には接客やサービスの提供、販売などの業務を行いますが、管理栄養士の場合、顧客のインナービューティをサポートするという役割を担うことも多いです。
美容施設でも、病院や介護施設と同様、一人ひとりに合った栄養指導が欠かせません。
プレッシャーを感じない仕事ではありませんが、美容に興味がある管理栄養士であれば楽しく伸び伸びと働ける可能性が高いです。
新卒で進路に迷っている方は、ぜひ美容施設への就職も検討してみてください。
管理栄養士が美容施設で働くメリット
美容施設は管理栄養士におすすめの進路ですが、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
内側からのアプローチを手助けできる
先ほどもご紹介したとおり、美容を極めるためのインナービューティという考え方が一般的になりつつあります。
そのため、美容施設には食事や栄養に気を付けている顧客が多く来店します。
しかし、その多くがネットの情報を頼りにしており、誤った方法で栄養を摂取していることも珍しくありません。
管理栄養士は、プロならではの視点から正しい情報を提供できるだけでなく、より効果的な方法を提案できます。
より的確なアドバイスができれば、顧客の満足度もアップするでしょう。
職場で重宝される
管理栄養士はプロ目線でインナービューティに関するアドバイスができます。
Point
国家資格の管理栄養士には十分な説得力がある上、インナービューティに興味がある顧客から一目置かれる存在であるため、職場で重宝されるはずです。
やりがいを感じやすい
病院や介護保険施設が就職先として人気となっている理由の1つは、患者や入居者の症状などが改善していくところを目の当たりにでき、やりがいを感じられるからです。
実は美容施設でも同様に、顧客の変化を見ることが可能です。
自分のアドバイスによって美しくなっていく顧客を見られるのは、美容施設で働くスタッフならではの特権でしょう。
美容施設での活躍に役立つスキル
管理栄養士が美容施設で働くには、栄養学に加え、次のようなスキルが必要です。
美容施設ならではの技術や資格
就職する美容施設によっては、管理栄養士の資格以外の技術が求められる場合があります。
エステサロンであればエステ技術、美容クリニックであれば肌に関する知識などです。
美容の知識が浅い場合、顧客の信頼を得るために、美容に関する資格を取得するという工夫も必要でしょう。
美容に関する資格は栄養学と関連していることが多いため、管理栄養士であれば比較的簡単に取得できることがほとんどです。
就職を希望する施設で活躍するにはどのような資格が必要なのか見極め、活かしやすい資格に挑戦することが大切です。
柔軟な対応力
病院や介護保険施設と同様、悩みや改善したい点は一人ひとり異なります。
美容施設には特に、理想を持った顧客が訪れやすいため、柔軟な対応スキルが欠かせないと言えるでしょう。
自分の知識を押し付けるのではなく、顧客の考えに寄り添ったサービスを提供する必要があります。
コミュニケーションスキル
管理栄養士の資格が活きる職場は、どこであってもコミュニケーションスキルが必須です。
Point
コミュニケーションが取れていないと、顧客が持つ本当の悩みに気づけなかったり、ニーズを満たせなかったりします。
美容施設は、リピーターを増やすことが重要となるため、高いコミュニケーションスキルで通ってもらえるようなサービスを提供することが重要なのです。
今回は、新卒の管理栄養士に人気の進路、おすすめの職場をご紹介しました。
管理栄養士に人気の進路は病院や企業ですが、最近では美容施設への就職を検討する新卒の方も増えてきています。
病院や介護保険施設と同様にやりがいを感じられる、変化を目の当たりにできるといったメリットがあるからです。
調理業務の経験を積みたい、開発に携わってみたいという方はインナービューティに特化した飲食店への就職が特におすすめです。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
