管理栄養士の1日の流れ 〜業種別に知るリアルなタイムスケジュール

管理栄養士 1日の流れ

管理栄養士の活躍の場は多岐に渡るため、同じ管理栄養士でもどの業種またはどの職場を選ぶかで、仕事内容がずいぶんと変わります。
そのため、管理栄養士が具体的にどんな流れで仕事をしているのか想像しにくいという方もいるでしょう。

そこで今回は、病院、保育園、美容クリニックという全く業種が異なる3つの職場を例に、管理栄養士の1日の仕事の流れをご紹介します。
自分に合った働き方ができる職場を選ぶ際に、参考にしてみてください。

病院に勤務する管理栄養士の1日の流れ

病院

まずは、管理栄養士の就職先として最も多い「病院」に勤務する管理栄養士の平均的な1日の流れを見ていきましょう。

8:30 朝礼・ミーティング

出勤したら、朝礼及びミーティングを行います。
入院中の患者さんの前日の状況や、その日に入院予定の患者さんの情報、共有すべき注意事項などを確認して1日の業務計画を立てます。

9:00 栄養指導

外来患者さんや退院する患者さんに対して食事指導を行います。
また、患者さん本人だけでなく家族に対しても、退院後に食事を用意する上で注意すべき点やできるだけ摂取した方が良い栄養素などについて、アドバイスを行うことがあります。

11:00 献立作成・配膳チェック

患者さんの状態に合わせて栄養や大きさ、形状に配慮しつつも、食事を楽しんでもらえるような献立を作成します。
また、食物アレルギーのある患者さんや個別対応を行っている患者さんに提供する食事に関しては、配膳前に間違いがないかどうかをチェックします。

12:00 患者さんの食事の様子を巡回

患者さんの食事の様子を実際に見て回り、素材の大きさや形状は適当か、食べづらそうにしていないかなどを確認することもあります。
日々変化する患者さんの様子を、自分の目で見てしっかりと把握することが大切です。

13:00 お昼休憩
14:00 カルテのチェック、献立会議

患者さんのカルテをチェックし、更新されている情報がないか確認します。
また、調理師や盛り付けスタッフらと共に定期的に献立会議を開いて、食事の質の向上を図ります。

15:00 病室の巡回やカンファレンス

カルテを見て気になる患者さんがいた場合は、病室まで行って直接話を聞いたり相談に乗ったりします。
カンファレンスでは、医療チームの一員として医師や看護師、薬剤師、理学療法士などと一緒に患者さんの現状について情報共有し、これからの治療方針などを話し合います。

16:00 事務処理及びミーティング

事務処理や翌日の予定の確認を行い、必要に応じて調整を行います。
1日を通して何か気になることがあった場合は、管理栄養士・栄養士間で報告、連絡、相談をして情報共有に努めます。

17:00 終業

患者さんの状態によっては残業となることもあります。
就業後は、さらなる知識の習得やアップデートを目指して勉強している方も多くいるようです。

病院に勤務する管理栄養士は、出勤から終業まで多くの業務をこなしていることがうかがえます。
上記は平均的な1日の流れを示したものですが、時には栄養指導の一環として集団を前に、糖尿病や減塩といった特定のテーマに対する講義やセミナーを開催することもあります。

保育園に勤務する管理栄養士の1日の流れ

保育園

管理栄養士の中には、保育園や小中学校などで給食の調理や献立作成に携わる方も多くいます。
ここでは、とある保育園に勤務する管理栄養士の1日の流れをご紹介します。

7:30 出勤

園児の人数が少ない保育園では、これよりも遅い出勤時間となっている場合もあります。

8:00 おやつの準備

年少未満の園児に対しては午前と午後の2回、おやつを提供している保育園が多いです。
幼児は消化や吸収機能が未熟なため、一度にたくさんの食事を摂ることができません。
そのため、朝・昼・夕の3食では足りない栄養を補えるようなおやつにします。

10:00 昼食づくり

管理栄養士がどこまで調理に携わるかは職場によっても異なりますが、メインの料理は調理師が手掛けて、管理士や栄養管理士は食事の種類や献立内容などの食事の情報を示した食札をトレーに乗せたり、盛り付けを手伝ったりするというケースもあります。
最近は、食物アレルギーをもつ子供が増えているため、一人ひとりに適した食事を提供するように十分気を付けなければなりません。

12:00 お昼休憩
13:00 在庫確認、発注作業、献立作成

食品の在庫を確認し、足りないものがあれば発注したり、栄養面や季節感などを考慮して翌月の献立を作成したりします。

17:30 退勤

特にトラブルがなければ、定時で退勤となります。

保育園や学校の給食に携わる管理栄養士は、子供の食事を提供する時間に合わせた勤務時間となっています。
調理業務は行わず、献立作成や栄養指導などをメインに行う場合は、早朝に出社するようなこともめったになく、大きなトラブルが発生しない限りは残業も基本的にありません。

美容クリニックに勤務する管理栄養士の1日の流れ

管理栄養士 美容クリニック

管理栄養士の中には、食事や栄養の専門知識を活かして美容業界でカウンセラーとして活躍している方もたくさんいます。
そこで、美容業界で働く管理栄養士の1日の流れについても確認してみましょう。
以下は、美容クリニックに勤務する管理栄養士のおおまかな1日の流れです。

9:30 出勤、清掃

出勤したら、クリニックの制服に着替え、院内の清掃や消毒を行います。

9:50 ミーティング

スタッフ全員で朝礼を行い、ミーティングで当日の予約状況や1日の流れ共有事項などを確認します。

10:00 カウンセリング業務開始

予約のお客さんを出迎えて、カウンセリング業務を行っていきます。
初めて利用する方に対しては、特に丁寧に時間をかけて悩みや要望をヒアリングした上で、最適なプランやコースを提案したり料金や支払い方法、契約などについて説明したりします。

12:00 お昼休憩

お客さんの予約時間や施術状況を見ながら、スタッフ同士が交代で昼食や休憩を取ります。

13:00 午後のカウンセリング業務開始

お昼休憩を終えたら、午後のカウンセリング業務を開始します。
カウンセリングの合間に、メールやLINEでお客さんとやり取りをしたり、在庫の整理や発注などを行ったりすることもあります。

19:00 片付け・締め業務・退勤

診察終了時刻が近づいてきたら、器具の整理整頓や院内清掃、レジ締めなどに取り掛かります。
また、その日のカルテや翌日の予約を確認して、引継ぎ事項があればスタッフ間で共有できるようにまとめておきます。
その後、残業がなければ制服から私服に着替えて退勤となります。

美容クリニックやエステサロンは、会社員のお客さんを対象にしていることが多いため、朝はゆっくりと出社できる代わりに退勤時間が夜遅くになるケースも少なくありません。
ただし、全国展開しているような大手のクリニックやサロンの中には、夏季休暇やGW休暇などの長期休暇を、スタッフそれぞれで時期をずらして取得できる所もあります。

Point

管理栄養士の資格を活かして美容業界で働きたいという場合は、産休や育休の他、働く女性を支援するための制度が充実している職場を選ぶと、たとえライフステージが変化しても無理なく働き続けられるでしょう。


 
 
今回は、業種が異なる管理栄養士の1日の仕事の流れを3種類ご紹介しました。

管理栄養士の仕事は、献立作成や栄養指導、調理、衛生管理など幅広いため、スタッフが不足しているような職場では、一人で多くの業務を担当しなければならないケースもあります。
その結果、負担の大きさに耐え切れず辞めてしまう方も少なくないのが実情です。

安心して働き続けられる職場に就くためには、給与や待遇だけでなく業務範囲や勤務時間、休日などもよく確認してから求人に応募するようにしましょう。

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