管理栄養士と聞くと、常に食に関する環境や業務に関わっている印象が強いでしょう。
しかし、管理栄養士の働く環境は年々広がっていて、今ではスポーツジム、エステサロン、ドラッグストアなどでも需要が高まっています。
現場で働く印象の強い管理栄養士は、技術職だけでなく総合職としても働けるのでしょうか?
この記事では、総合職がどのような仕事かに加えて、管理栄養士が総合職として働くメリットなどをご紹介します。
総合職ってどんな仕事?
そもそも総合職とは、どのような仕事でしょうか?
基本的に総合職とは、企業の中でも中核の業務を担う職種であり、管理職や幹部候補として様々な業務に携わることが多いです。
社内でも今までとは違い、様々な業務を経験していくため、仕事内容も多岐にわたります。
給食など食に関する会社の総合職の場合、管理栄養士なら技術職となるので現場での勤務がメインになりますが、総合職となれば本社勤務などになるでしょう。
また、総合職と似ているとされる一般職は、総合職のサポート的な存在であり、業務内容は異なります。
誰かの先頭に立つような業務内容ではなく、縁の下の力持ちのような存在で総合職がスムーズに業務を進めるために欠かせない存在です。
総合職や一般職という分け方をしたのは、1986年に制定された男女雇用機会均等法が関係しています。
制定される前は、男性と女性を区別して募集や採用をしていましたが、働く人を性別で分けるのではなく、能力できちんと評価すべきという考えが浸透していった結果、職種が分けられることになりました。
総合職は2つに分けられる
総合職という職業でも、営業系総合職と技術系総合職に分類できます。
営業系総合職は、総務、人事、経理、営業などをメインに担当する総合職のことで、様々な分野の業務をスムーズに行うための業務を担当します。
この内容から、事務系総合職と呼ばれるケースもあるでしょう。
一方の技術系総合職は、研究、開発、生産、設計など会社の製品を誕生させるための業務がメインです。
同じ総合職であっても、全く内容が異なるケースもあるでしょう。
管理栄養士が総合職として活躍できる場面はある?
管理栄養士は現場での仕事がメインとなりますが、今後総合職として働きたい場合、どのような場所で働けるでしょうか?
現場の管理や監督
管理栄養士の資格を活かしつつ総合職として働きたい場合、現場の管理や監督などの業務が向いているでしょう。
各店舗や事業所を巡回し、調理方法や衛生管理などの指導を行います。
サービス向上、売り上げアップのための方法などをアドバイスし、改善するために指導を徹底的に行います。
監理栄養士としてのキャリアがある場合、食に携わってきた経験があるからアドバイスもできます。
また、食に関しての知識が豊富なので現場スタッフから相談されることもあるでしょう。
現場スタッフの意見を理解しやすく、位置的にもお客様に近い存在になることから信頼も得やすいでしょう。
衛生管理
栄養に関する情報を把握している管理栄養士なら、衛生に関するルールも把握しています。
この能力をきちんと発揮するために、管理栄養士が衛生管理を担当することもあり、定期的に各事業所を見回って衛生ルールに関しての指導を行います。
衛生管理が正しくされていない項目に関しては、再度確認を行って改善されているかどうかをチェックします。
限られた条件や設備の中で、衛生的な食事にするにはどうすべきかを1番に考えて柔軟なアドバイスをします。
現場で働いた経験のある管理栄養士であれば、適切なアドバイスを常に行えるでしょう。
開発
技術職を極めた管理栄養士が、その後総合職の開発担当になるケースも少なくありません。
技術職である監理栄養士は、それぞれの会社で提供されている共通メニューに加えて各事務所に合わせた献立を作成します。
ここには、クライアントの要望も加わることが多く、実現できる作業手順や内容などをすり合わせて献立を作ります。
常に要望を取り入れて、新しい献立を作り出すことで栄養バランスの組み合わせや人気のメニューなどが、より豊富に提供できるでしょう。
ステップアップとしての移動も多く、コミュニケーション能力、実現できるかどうかも検討するだけでなく、スタッフなどの要望や実現できる範囲と、クライアントと事業所の意見をすり合わせていき、実現できる範囲がどこまでかを把握しておきましょう。
営業
総合職となった場合、新規開拓の営業も担うことになります。
これは、飛び込み営業の他に電話などで新しい受託先を得ていく方法です。
これだけを聞くと、普通の営業職との違いを感じないかもしれませんが、管理栄養士という資格を持っていることがメリットになることも多いでしょう。
例えば、自社製品の売り込みをした場合、商品説明に加えてクライアントの悩みを解消できるアドバイスや情報が提供できます。
名刺にも管理栄養士と記載されるので、「管理栄養士から話を聞いてから検討しよう」と前向きになってくれることもあるでしょう。
飛び込み営業の場合、断られることも多くなりますが、管理栄養士と聞いて安心して相談してくれるケースもあります。
管理栄養士から総合職になるメリットは?
現場で働く管理栄養士から総合職になるメリットはあるのでしょうか?
待遇が良くなる
管理栄養士であってもキャリアを重ねていけば手当や賞与などが高くなっていくでしょう。
総合職となれば基本給、手当、賞与のどれも管理栄養士の時以上になりやすいです。
ただし、給与が良いということは質も求められていることを忘れないようにしましょう。
多くの人と関われる
管理栄養士の時は、決まった範囲でしか業務上の関わりがなく、まれに一人で業務をこなすこともあるでしょう。
しかし、総合職になれば職場は同じ部署の人間だけでなく、他の部署、支店、クライアントといった多くの人と関わる機会が増えます。
広い人間関係を築けるので、誰かと出会う楽しさも感じられるでしょう。
経験を重ねていける
管理栄養士の場合は、他人との関わりが少ない環境が中心です。
1日中、パソコンに向かって作業することもあるでしょう。
一方の総合職は、幅広い業務によって新しい経験にもチャレンジできます。
どんな人が向いている?
管理栄養士から総合職に変えたいという場合、どのような人が向いているのでしょうか?
総合職が向いているのは、日々違った業務や環境で働きたい方、管理栄養士以外の業務にも携わってみたい方です。
総合職になると、現場で働くよりも他の環境に自分の方から飛び込んでいく機会が増えます。
そのため、毎日が新しい出会いとなるでしょう。
Point
総合職は業務を動かして管理していく環境で働くため、今まで知らなかったことを知る機会も多くなります。
積極的に進んでいく向上心のある方にも向いているでしょう。
総合職は、企業の中でも中核の業務を担うことが多く、社内での業務よりも社外にいる方が多くなります。
管理栄養士の時とは異なり、現場の管理や監督、開発やアドバイスなどの業務が新たに加わります。
今までのように栄養についてだけを学ぶのではないので、新しい職種だと考えるのが良いでしょう。
管理栄養士という資格を活かして総合職で働ける機会もあります。
この機会に総合職について検討してみてはいかがでしょうか。