管理栄養士の独自性とは?栄養士法に基づいた業務内容を紹介

管理栄養士 独自性

栄養指導や栄養指導を通して人々の健康を支えるのが管理栄養士の役割です。
厚生労働大臣から認定を受ける国家資格の1つです。

状況やライフステージに合った栄養面をサポートする資格で、1962年に誕生しました。
高齢化社会の現代において、健康と密接な関係性を持つ管理栄養士の役割は重要性を増していると言えます。
そんな管理栄養士の独自性について解説していきます。

管理栄養士の独自性とは?

管理栄養士の独自性は法律で規定されています。
栄養士法に基づいて管理栄養士にしかできない業務が存在しているので、ここでは代表的な業務をご紹介していきます。

栄養指導

管理栄養士の重要な役割の1つが栄養指導です。
栄養士法第1条第2項において、「傷病者に対する療養のために必要な栄養指導」が明記されています。
以下のような業務を実施します。

・患者の状態に合わせた栄養管理計画を立てる
・患者の嗜好や生活習慣に沿った実践的な栄養に関するアドバイス
・患者の治療や予防に効果的な食事療法を指導する
・栄養状態の評価や継続的なモニタリングの実施

例えば、ガンを患っている患者に対しては、栄養状態の改善を目指すためのサポートを実施し、糖尿病を患っている患者に対しては血糖コントロールのために食事指導を行っていきます。
病状に応じた専門的な知識が要求される業務です。

また、病気を患っている個人に対してだけではなく、特定多数人に向けた栄養指導も管理栄養士の業務です。
職場や学校、地域コミュニティなどでの栄養教育や食育活動となります。

・生活習慣病を予防するための栄養セミナー
・集団の特性に合わせた栄養プログラムの企画や実施
・学校や保育施設での食育活動推進
・地域の健康増進計画に向けた栄養学的アプローチの提案

人によって健康状態や生活環境に違いがあります。
そんな中でも、全体としての健康増進を図る役割があるため、栄養学だけではなく公衆衛生学や教育学、行動科学といった知識も必要になります。

栄養管理責任者

管理栄養士の重要な業務として栄養管理責任者も挙げられます。
特定求職施設での役割となり、健康増進法第21条において特定給食施設のうち、特別な栄養管理が必要となる施設として都道府県知事が指定した施設には管理栄養士を配置する義務があります。
特定給食施設とは、1回100食以上もしくは1日250食以上の食事の提供を継続的に実施している施設を指し、以下のような施設が当てはまります。

・児童福祉施設
・学校
・病院
・介護医療院
・介護老人保健施設
・事業所の社員食堂

上記の施設で管理栄養士として働く場合には、以下のような業務を行います。

・給食の献立作成
・給食の栄養管理
・利用者の栄養評価
・利用者の栄養管理計画立案
・調理従事者に対する指導や教育
・衛生管理システムの構築や運用
・給食で使う食材の発注や在庫管理、コスト管理

管理栄養士が持つ独自性のある業務は、高い専門知識や技術、大きな責任を伴います。
これらを通じて、人々の健康向上を目指しているのです。

管理栄養士の具体的な仕事内容

管理栄養士は、前述した独自性のある法的に定められた業務以外にも、専門性を活かして幅広い分野で活躍しています。
どういった分野で働いているのか、具体的な仕事内容をみていきましょう。

病院・クリニック

病院 クリニック
通院患者や入院患者に対しての栄養管理が主な仕事内容です。
患者の回復に向けて他の医療スタッフと共に栄養面によるサポートを実施します。
NSTと呼ばれる栄養サポートチームでは看護師や医師と連携をして患者の栄養状態の改善を目指し、治療効果を向上させる役割があります。

具体的には、栄養評価や栄養指導、栄養療法計画の立案、栄養補給方法の提案などです。
チーム内では、栄養に関する専門的な助言を実施していきます。
NST専門療法士の資格を取得すれば、より高度な栄養管理を行えます。
医療分野での活躍を目指しているなら取得を検討してみてください。

また、患者の状態に応じた栄養管理計画を立てる他、食事療法の指導や実施、経腸栄養や静脈栄養の管理なども管理栄養士の役目です。
単に栄養価の高い食事を提供するだけではなく、楽しく食事ができる工夫をする事も大切です。

スポーツ分野

スポーツ
スポーツの分野でも管理栄養士のニーズは高いです。
例えば、アスリートに対しては競技の特性に合わせた栄養計画を立案します。
栄養摂取計画を作成する他、体重管理や体組成改善のための栄養指導、パフォーマンスの向上に向けた栄養戦略を立てることも管理栄養士の役割です。
個人だけではなく、チームを対象に栄養サポートを実施するケースもあります。

また、スポーツジムにおいて管理栄養士が求められるケースも増えています。
ジムのスタッフやインストラクターを兼任しながら利用者の栄養指導を行うことが主な業務となっており、食事や栄養に関する個別指導を実施します。
体の内側から健康になるためのサポートを行う役割です。
地域貢献に力を入れている施設であれば、地域に向けた講演会やセミナー、イベントでの食育指導を担当するケースもあります。

美容分野

美容
体の内側からの美をサポートすることが美容分野での管理栄養士の仕事です。
美容に関するメーカーで働く場合は、プロテインや美容ドリンク、スキンケア食品やサプリメントなどの商品開発に携わり、栄養のバランスや効果的な成分配合の監修を実施します。

Point

美容サロンでも需要が増えており、食事のアドバイスや栄養指導で利用者の美をサポートしていきます
痩身を目的としているサロンであれば、ダイエットや体型維持に向けた食生活の指導や栄養に関するアドバイスを実施し、施術効果の促進を支援します。
美肌や美容が目的のサロンでも、同じように美容を意識した食生活や栄養指導を実施していきます。

カウンセリングを通じて利用者の悩みを聞き、悩み解決に向けたサポートが必須です。
また、中には美容に関するセミナーやイベントを開催する他、SNSや雑誌で監修や執筆をして情報発信や啓発活動に貢献して活躍している管理栄養士もいます。

独自性を磨くために必要なこと

管理栄養士は、高い専門知識が必要です。
ここでは、独自性を磨くためにも必要なポイントを解説していきます。

最新情報の習得

管理栄養士は栄養学に関する深い知識を持った人物です。
しかし、栄養学は進化する分野なので最新の情報を取り入れないと時代遅れな管理栄養士となってしまいます。
専門誌の購読やオンラインセミナーへの参加、学会や研修会への参加を通じて、専門知識を最新情報にアップデートすることを忘れないようにしてください。
継続的に学習を続ければ、専門性をより高められるので最適なアドバイスを提供できるようになります。

知識以外のスキル

管理栄養士の仕事は単独で完結しません。
患者や利用者、他のスタッフとのコミュニケーションが欠かせません、
例えば、医療の分野であれば医師や看護師との連携、美容サロンであればエステティシャンと連携して業務を行っていきます。
傾聴力や説明力、共感力やチームワークといったコミュニケーション能力が不可欠です。

今回は、管理栄養士の独自性について解説してきました。
栄養士法に基づいて管理栄養士にしかできない業務があります。

病院や介護施設、保育園や学校などの施設で働いている印象がありますが、その他の分野でも大きく活躍しています。
栄養指導や栄養管理責任者の業務を通じて、利用者の健康や美容をサポートしていきましょう。

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