管理栄養士の資格を持っている場合、企業に就職することだけが道ではありません。
独立をしてフリーランスとして働くこともできるため、自分の好きな仕事に就くためにもフリーランスへの転職を検討してみてください。
そこで今回は、フリーランスとはどういった働き方なのかをご紹介すると共に、フリーランス管理栄養士の仕事内容や独立するための方法などをご紹介していきます。
フリーランスに興味のある管理栄養士の方は、ぜひ参考にしてみてください。
フリーランスとは
企業や団体に属さずに個人で仕事を請け負い働く方法をフリーランスと言います。
厚生労働省によるガイドラインでは、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主で知識や経験、スキルを活用して収入を得る人」と示されています。
フリーランスと聞くと、デザイナーやプログラマー、アフィリエイターといった人物を思い浮かべる方もいますが、業種に決まりはありません。
Point
フリーランスであれば組織に所属していないため、働く場所や時間、休日は全て自分でコントロールできます。
そのため、自分に合った働き方が可能です。
フリーランス管理栄養士の仕事
フリーランス管理栄養士になれば、企業との業務委託によって案件を依頼されます。
代表的な仕事内容をご紹介していきましょう。
レシピの開発
クライアントの要望に合わせたレシピ開発は、フリーランス管理栄養士の代表的な仕事の1つです。
クライアントは多岐に渡り、介護施設や飲食店、食品メーカーや医薬品メーカーなど様々です。
開発したレシピは、料理雑誌やレシピサイトなどに掲載される他、企業のWebサイトやダイエットアプリへの掲載、飲食店の新メニューなどで提供される仕組みです。
近年では、内面美容も注目を集めているため、体の内側から美しくなれるレシピの提供ニーズも高まっています。
料理の写真撮影
レシピ開発の現場では、調理したものを写真撮影してクライアントに渡すケースもあります。
ただし、写真撮影はプロのカメラマンによる撮影が多く、管理栄養士は調理の他に食器やテーブルクロスの準備、盛り付けなどを担当します。
そのため、料理の美味しさや高い栄養価であるのはもちろん、美しい盛り付け方にこだわるのも大切な仕事です。
記事の執筆
管理栄養士としての知識を活かすためにも、ライターとして記事の執筆をする仕事もあります。
掲載されるのは、レシピサイトや料理雑誌、健康や美容に関するWebサイト、企業のニュースレターなどです。
執筆内容は、食育について、食材の栄養価やオリジナルレシピの紹介、管理栄養士の資格取得に関連する体験談などです。
管理栄養士が持つ専門知識を踏まえた信頼性の高い文章を提供できる点が特徴です。
資格を持っていないライターと比較すると、報酬が高くなるケースもみられます。
料理教室の講師
フリーランス管理栄養士の中には、料理教室の講師をメインの仕事にしている方も一定数います。
フリーランスの場合は、教室で開催する内容を企画した上で、開催場所の決定や手配、集客や開催の準備など、一連の流れを全て自分で行う必要があります。
料理教室を開催する場所としては、レンタルスペースが多いです。
自宅での開催もできるため、定期的に実施すれば一定の収入を確保できる働き方です。
特定保健指導
特定健康診査で対象に選ばれた方に対し、栄養指導といった生活習慣改善のサポートを実施するのが特定保健指導です。
メタボリックシンドロームや生活習慣病といった病気の予防や改善が目的です。
対象者と面談をして一人ひとり異なる健康リスクや生活に合った食べ物の選び方や適切な食べ方などを指導していきます。
「特定保健指導担当管理栄養士資格」の資格を取得すれば活躍の場を広げられます。
セミナーでの講義
食事や食育、美容や健康をテーマにしたイベントで開催されるセミナーの講師として仕事を依頼されるケースもあります。
講義のテーマは主催者によって異なりますが、管理栄養士としての知識を存分に活かせる内容です。
自分がメインとなって講義を行う他、他の登壇者のパネルディスカッションで専門家として参加する場合もあります。
出張料理サービス
近年ニーズが高まっているのが出張料理サービスです。
顧客の自宅に足を運び、ホームパーティーやおもてなし料理の他、日常生活で食べる料理の作り置きなどを調理します。
顧客によって依頼される料理内容は異なり、場合によっては離乳食やアレルギー対応メニューなどを依頼されるケースもあります。
フリーランス管理栄養士になる方法
フリーランス管理栄養士になるためにも必要となる資格やスキルがあるのか解説していきます。
資格
フリーランスの管理栄養士として活躍したい場合、必須となる資格は「管理栄養士」です。
指定の4年制大学を卒業する他、短大や専門学校を卒業後に栄養士の資格を取得後、3年以上の実務経験を積むと管理栄養士の試験を受けられます。
それ以外には特に必須となる資格はありませんが、より多くの仕事をしたいのであれば、様々な資格を取得しておくと活躍する場が増えるはずです。
資格の一例は以下の通りです。
◎野菜ソムリエ
◎特定保健指導担当管理栄養士
◎産業栄養管理者
◎美容栄養学専門士
スキル
企業と業務委託契約を結んで働いていくケースが多いので、仕事を受注する営業力の他にも、企業とのやり取りを円滑に進めるためのコミュニケーション能力が必要になります。
また、下記のようなスキルもフリーランス管理栄養士に求められます。
◎記事執筆・ライター:文章力や情報発信力
◎セミナー講義:プレゼンテーション力や質疑応答に対する対応力
◎料理教室:企画力や集客力、レシピ開発の知識
活躍したい場に合わせて適切なスキルを身につけていきましょう。
フリーランスの管理栄養士で仕事を増やす方法
フリーランス管理栄養士として安定した収入を得るためにも、下記の方法を参考に仕事を増やす努力をしてみてください。
求人には積極的に応募する
仕事の募集を個人のホームページやブログなどで行っている方もいますが、それだけでは思うように依頼がこないはずです。
Point
仕事を増やしたいのなら実績を積み重ねることが大切なので、フリーランス募集の求人には積極的に応募してみてください。
クラウドソーシングサービスを活用すれば色々な案件があるので応募もしやすいです。
情報発信も積極的に行う
依頼している側は「本当に知識があるのか」「どんな実績があるのか」といった点を気にします。
執筆の仕事をしたい場合には、ブログやホームページで栄養や健康、美容に関する情報を発信していくと、依頼者はライティングのスキルをチェックできます。
レシピ考案に関する仕事をしたい場合には、オリジナルのレシピを掲載していくのもおすすめです。
副業からスタートしてみる
いきなりフリーランスで働くことも可能ですが、実績を積みたいと考えるなら副業からスタートするのもおすすめです。
正社員として就職し、その傍らで副業を始めれば、ある程度の副業収入を得てからフリーランスへと転身できます。
管理栄養士の資格をもっているならフリーランスとして活躍できます。
自分のペースで仕事ができ、自分がやりたい仕事や好きな仕事を選んで活躍できる点が魅力です。
しかし、フリーランスとして独立すれば自分で仕事を獲得しなければいけません。
管理栄養士の資格を取得した上で、営業力やコミュニケーション能力などの様々なスキルを身につける必要があります。
不安があれば転職を検討するのも手段の1つなので、自分に合う方法で活躍できる場を選んでみてください。