管理栄養士の仕事先は保育園や介護施設、病院などがあります。
健康を支えるために欠かせない役割を持ちますが、管理栄養士を募集している企業は、その他にも複数あります。
その1つが食品メーカーです。
食品メーカーで働けば、自分が開発した商品が世に出るので、胸を張って自慢できる仕事です。
しかし、栄養指導や栄養管理とは異なるスキルが求められます。
そこで今回は、食品メーカーで働く場合の管理栄養士の仕事内容に加えて、気になる待遇を解説していきます。
求められるスキルについてもご紹介していくので、食品メーカーへの就職や転職を検討している管理栄養士の方や自分に合う業界探しで悩んでいる方は、参考にしてください。
食品メーカーとは
日頃口にしている食品の製造や販売を行っている企業が食品メーカーです。
・加工食品:菓子や冷凍食品、乳製品や調味料など
・食品原料:水産品や食肉製品、小麦粉など
・飲料や嗜好品:清涼飲料水やアルコール、タバコなど
食品業界は上記3つに分類されており、日常生活で欠かせない商品を取り扱っています。
知名度が高い企業も多く、就職や転職を希望する方も多い傾向です。
管理栄養士が食品メーカーで働く際の仕事内容
管理栄養士として食品メーカーで働く場合、仕事内容は職場によって様々な種類があります。
具体的な仕事内容をみていきましょう。
商品の企画
研究職・企画開発職・マーケティング職が連携をして、どういった商品を作るのか考える仕事です。
社会状況や流行、ニーズなどを探り、材料の検討や調査やリサーチなどを実施します。
商品開発
企画や開発段階で決定した方針に沿って商品設計を行います。
味や見た目、材料の配合、使用する機械など、生産工程を見通した検討を実施していきます。
また、職場内の衛生チェックや細菌検査、栄養素の分析といった仕事も担います。
品質管理
安心安全な商品を提供するためにも商品の安全性や品質に問題がないか証明する必要もあります。
・衛生管理
・商品の検査
・原材料受入検査
・微生物検査
・分析業務
などが当てはまります。
場合によっては、トラブル発生時に原因調査といった対応を実施するケースもあります。
また、規格書の作成業務も担います。
商品の情報をまとめた資料で、原材料やアレルゲン、栄養成分などを記載します。
顧客対応
お客様からの問い合わせに応じるカスタマーサービスの仕事も存在します。
お客様からの問い合わせに対して対応し、時にはクレーム対応も行います。
広報活動
商品を展開してくれる得意先への営業の他、多くのお客様に商品を認知してもらうため、購入してもらうためにも宣伝活動が欠かせません。
CMやネット広告などでの宣伝をはじめ、SNSでの広報を実施する企業も増えています。
大企業の場合は、細分化されて各部署へと配属になるケースが多いですが、中小企業の場合は企画から工法まで一貫して行うケースもあります。
また、大企業の場合、開発職への採用でも最初の数年間は営業や工場の管理部に配属となるケースもあります。
自分のやりたいことができるか、考えてから企業選びをしていきましょう。
管理栄養士が食品メーカーで働く際の待遇
食品メーカーで働きたいと考えた時、待遇を気にする方も多いはずです。
働きやすいか知るためにも、待遇をみていきましょう。
給与
食品メーカーの場合、給与は会社の規模や役職によって大きく異なります。
年収の相場は400万円前後です。
大企業の方が年収も高くなる傾向にあり、住宅手当や食事手当といった待遇も多い傾向にあります。
勤務時間
食品メーカーによって勤務時間に違いがあります。
また、残業時間も異なるので、求人情報をチェックして働きやすい環境を提供している食品メーカーを探しましょう。
Point
育児休業の取得率や取得後の復帰率、子育てをしている女性でも働きやすい環境か、チェックしてから企業選びをする必要があります。
休日
基本は土日休みを採用している企業が多い傾向です。
しかし、開発職に採用となっても数年間は工場勤務になる可能性もあり、その場合は土日祝日関係なく生産が必要なので、希望の日に休みが取得できない可能性もあります。
有給休暇の取得率も企業選びの際にはチェックしましょう。
食品メーカーが管理栄養士に求めるスキル
管理栄養士が食品メーカーで働く場合、どういったスキルが必要になるのか解説していきます。
管理栄養士ならではの幅広い知識
食品学や栄養学
食品の栄養成分や嗜好成分、栄養成分の化学的性質や調理、加工によって発生する成分変化といった食品学のスキルが必要です。
また、人の体を作り、エネルギーの元になる栄養に関する学問となる栄養学の知識も必要です。
健康と食物の関係を科学的に解明する役割があります。
食品衛生学
安全な食品を世の中に提供することが食品メーカーにとって大切です。
食中毒や食品の変質、添加物といった食に関する安全性についての知識も求められます。
上記の他にも、生化学(生物学)の深い知識があると、食品メーカーでの仕事に役立つはずです。
これまで調理経験がメインの職場に就いていた場合は、改めて学習し、知識を身に付ける必要があります。
ビジネススキル
パソコンを使用する業務もあるため、ExcelやWordといったパソコンスキルが必要です。
また、商品開発をする場合は市場調査を実施するのでマーケティングのスキルも求められます。
コミュニケーションスキル
商品の研究や開発に携わるため、他の部門や専門職とのコミュニケーションが必須です。
営業や広報を担当する場合、商品の特徴や魅力を分かりやすく伝えられるようなスキルも必要です。
信頼関係を構築するため、スムーズに業務を進めるためにも欠かせないスキルです。
保育園や介護施設での業務では必要ない知識やスキルもあるため、食品メーカーへの勤務を希望しているなら、積極的に身に付けることが大切です。
食品メーカー以外の業界にも注目してみよう
お客様に感謝されるため、お客様に寄り添った業務をしたいのであれば、食品メーカー以外の業界にも注目してみてください。
その1つが美容業界です。
美と健康を栄養や食を通じて叶えることが管理栄養士の役割です。
エステサロンであれば、マシンやハンドによる施術に加えて、体の内側からもアプローチを実施することで、理想のボディを目指していきます。
Point
美容業界での就職や転職を検討している場合は、栄養や食に関する知識だけではなく、美容に関する知識も身に付けることが重要です。
また、お客様と接する機会も多いため、コミュニケーションスキルも必要です。
要望を汲み取って満足度の高い接客をするためにも、接客スキルを磨いて仕事に臨んでください。
食品メーカーで働く管理栄養士の仕事内容や待遇、求められる知識についてご紹介してきました。
人々の身近な食品を開発する仕事に携われ、認知度が高い企業も多いため、就職先や転職先として候補に挙げる方も多いです。
ライバルに負けないためにも、求められる知識やスキルを身に付けてから、応募を検討してください。
また、管理栄養士は様々な業界でのニーズが高まっています。
人に役立つ職業、感謝されやすい職業としては、美容業界もおすすめです。
仕事内容や待遇、必要な知識などを比較し、自分に合った業界への習得や転職を検討しましょう。