管理栄養士は将来性がないと言われていることから、不安に感じている方は多いでしょう。
しかし、健康志向が高まっていること、高齢化が進んでいることも踏まえると、管理栄養士が求められるシーンはたくさんあります。
それでも不安が拭えないという方は、キャリアアップを目指し、計画を立てていくのがおすすめです。
管理栄養士は活躍できる領域が広いため、キャリアアップも夢ではありません。
今回は、管理栄養士としてのキャリアアップにはどのようなものがあるのか、キャリアアップするためのポイントをご紹介します。
管理栄養士としてのキャリアアップとは?
まずは、管理栄養士としてのキャリアアップにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
チーフやリーダー
管理栄養士のキャリアアップとして挙げられるのは、勤務している事業所の責任者、つまりチーフやリーダーになることです。
チーフやリーダーは、現場がスムーズに回るように指示を出したり、状況を正しく把握したりする立場になります。
チーフやリーダーになるためには、専門的な知識はもちろん、業務の采配を行う力が必要です。
加えて、事業所の監視・管理、業務のサポートも求められます。
どうすれば滞りなく業務を進められるのか、どのようなところにトラブルが潜んでいるのか、サポートが必要なタイミングはいつなのかなど、多くのことを考えながら業務を遂行する必要があるのです。
これらを同時進行していくためには、やはり管理栄養士としての経験が欠かせません。
マネージャー
チーフやリーダーを経験した後、キャリアアップでマネージャーを目指す管理栄養士も多いです。
チーフと同様、マネージャーも管理栄養士としての経験が欠かせないポジションです。
チーフはあくまでも管理栄養士として先頭に立ちますが、マネージャーは経営視点を持って管理をするため、さらに大きな責任を持って取り組む必要があります。
管理や運営などのマネジメント業務が主な仕事ですが、人間関係にまつわる相談を受けたり、業務指導を行ったりすることもあるため、コミュニケーション能力も欠かせません。
指導者
管理栄養士としての知識・経験を積み、スペシャリストと認められれば、栄養などの分野で社員の育成や指導を行う指導者へキャリアアップできます。
新人育成はもちろん、研修の講師業務を行うのが主な仕事となるため、より専門性の高い知識、経験が必要になるでしょう。
チーフやマネージャーとなると、専門分野以外のスキルも重視されるため、ギャップを感じやすいです。
一方で指導者は、管理栄養士としての知識や経験を教える立場となるため、栄養学に触れていたい方にぴったりと言えます。
もちろん、指導スキルやコミュニケーションスキルは求められますが、管理栄養士としてキャリアアップしたいという場合は、チェックしておきたいキャリアプランと言えるでしょう。
フリーランス
企業や施設で経験を積み、独立するのも管理栄養士のキャリアアップと言えます。
フリーランスで活躍するなら、管理栄養士としての知識・経験を活かした働き方が欠かせません。
独立してもコンスタントに仕事を獲得できるということは、その分野のスペシャリストとして認められていると言っても過言ではないでしょう。
フリーランスの管理栄養士は、レシピ開発や特定保健指導、料理教室の先生、セミナーなどでの講義などをメインに行います。
企業や施設に所属しているよりものびのびと好きなように働けるのが魅力です。
一方で、仕事や収入が安定しない、有給休暇がない、将来の保証がないなど、デメリットもあります。
フリーランスを目指す場合は、メリットだけでなく、デメリットについても考えながら慎重に選択する必要があるでしょう。
理想のキャリアプランを実現するためのポイント
管理栄養士がキャリアアップを目指す場合、専門的な知識や経験だけでなく、いくつかのスキルを習得しておくのがおすすめです。
管理栄養士としての業務を行いながら習得できるスキルもあるため、理想のキャリアプランがある方は、できるだけ早めに身に付けておきましょう。
常に最新情報をチェックする
管理栄養士が扱う分野は、日々研究が進んでおり、情報がアップデートされることも少なくありません。
情報のインプットを怠ると、今までの知識が通用しなくなるだけでなく、トラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
Point
学習時間を確保する、スキマ時間に書籍や論文に触れるなど、日頃から習慣化しておくことが大切です。
マネジメントスキルを習得する
管理栄養士としてのキャリアアップを目指すなら、マネジメントスキルの習得は必須でしょう。
マネジメントスキルは大きく分けて4つあり、それぞれ「目標設定能力」「進捗管理能」「状況把握能力」「業務遂行能力」です。
加えて、業務が円滑に進むよう、良好な人間関係を構築しておくことも大切なので、コミュニケーション能力も欠かせません。
管理栄養士のキャリアアップでは、自分1人ではなく、チーム全体を管理していくことが求められるため、わずかな時間で習得できるスキルではありません。
チーフやマネージャーの動きを見たり、マネジメントスキルについて学んだりして、日頃から身に付ける努力をする必要があるでしょう。
ビジネスマナーを学ぶ
管理栄養士が働く場所では、ビジネスマナーを求められることがあまりありません。
しかし、キャリアアップを目指す場合は、昇進や転職をする必要があるため、ビジネスマナーが欠かせなくなります。
いくら管理栄養士として優秀であっても、ビジネスマナーが身に付いていないと、常識がないと判断され、昇進や転職が叶わなくなってしまう可能性が高いです。
ビジネスマナーはWebサイトや動画、書籍やセミナーなど、学べる場所が多くあります。
自分に合ったものを活用して、できるだけ早く定着させておきましょう。
ITスキルを身に付ける
IT技術の発達、DX推進によって、パソコン・タブレットを活用するところが急増しています。
キャリアアップするとなると、管理栄養士としての業務以外も求められます。
業務を効率化するためにも、ITスキルは欠かせない能力だと言えるでしょう。
専門性の高いスキルを無理に習得する必要はありませんが、Officeの基本操作などは身に付けておくのがおすすめです。
コスト意識を高める
コスト意識とは、日頃から業務や工程に発生しているコストに着目する姿勢のことを言います。
どのようなコストがかかっているのかに目を向けることで、無駄な出費を削減できる可能性が高まるなどのメリットがあるのです。
コスト意識が高ければ、優秀な人材として評価されるチャンスがくるかもしれません。
高いパフォーマンスを目指しながら損失の抑制も意識し、利益を出す、そんな管理栄養士を目指してみてください。
管理栄養士としてのキャリアアップとひと口に言っても、チーフやマネージャー、指導者、フリーランスなど、目指せるところはいくつもあります。
もちろん、どのキャリアを目指すにしても、管理栄養士としての経験は欠かせません。
しかし、キャリアアップを目指すなら、できるだけ早めにキャリアアップに必要な経験・スキルを習得するという姿勢は持っておきたいところです。
理想の管理栄養士を目指すためにも、日頃の努力を怠らないことが大切だと言えます。