管理栄養士の資格を取得してから職場で働き、ある程度技術と経験を身につけてくると、「次のステップに移行したい」と考える人もいるはずです。
しかし、管理栄養士として次のステップを考えようと思っても、具体的にどんな方向性があるのか見えづらい場合もあります。
そこで今回は、管理栄養士として次のステップに行くために、どんな方向性があるのか、どういった知識・スキルを身につけておくと良いのかなどを解説します。
管理栄養士として次のステップに行くことも視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士が次のステップへ行くための方向性
管理栄養士が次のステップに向けて、以下の方向性を選択することになります。
職場で管理職を目指す
よく見られるケースとして、現在働いている職場でマネージャーやチームリーダーなどの管理職を目指すことが挙げられます。
管理職になれば他の栄養士・管理栄養士・調理師などをまとめ上げ、チーム一丸となって栄養管理などを行っていきます。
現場で活躍できる存在になれることはもちろん、リーダーシップのスキルも身につけられるのが特徴です。
ただし、職場に必要な管理職の数も限られていることから、枠が空くまでコツコツと努力を積み重ねていく必要があります。
資格を取得して専門性を高める
管理栄養士は国家資格であり、健康な人から傷病者、病気にかかっている人、特別な配慮が必要な人など、多くの人に対して栄養指導を行うことが可能です。
そのため業務の範囲は非常に幅広いですが、あえて専門性を高めることで新たな仕事にチャレンジできる可能性があります。
例えば「認定管理栄養士」などが挙げられます。
認定管理栄養士はOJTや事例・症例のまとめ、学会発表・参加などの自己研鑽に加え、基本研修と実務研修、さらに認定審査を受けることによって得られる資格です。
認定管理栄養士の認定分野は以下8つの分野があります。
・臨床栄養
・学校栄養
・健康・スポーツ栄養
・給食管理
・公衆栄養
・地域栄養
・福祉栄養(高齢・障がい)
・福祉栄養(児童)
また、認定管理栄養士以外にも、例えば産業カウンセラーやフードコーディネーター、健康運動指導士、サプリメントアドバイザーなどの資格を取得することで、業務範囲を広げることが可能です。
別の業種に転職する
次のステップを見据えた際に、現在の職場でそれを行うことが難しい場合には別の業種に転職するというのも1つの方法です。
例えば現在介護施設で働いている人が別の介護施設へ転職したとしても、キャリアアップがしにくい状況と言えます。
しかし、別の業種で管理栄養士として働ける場所を選べば、経験を積んでいくことで自分にしかできない役割を与えられることも考えられます。
需要はあるものの、管理栄養士の数が少なそうな業種を狙うのが特におすすめです。
独立・フリーランスになる
管理栄養士というと一般企業や医療機関、介護施設などに在籍する形で仕事をするのが一般的です。
しかし、近年は独立やフリーランスになって活躍する人も増えています。
独立やフリーランスによって自分のペースで働けるようになり、また自分がやりたい仕事を選ぶこともできます。
仕事の内容としては、例えばレシピの開発や料理写真の撮影、管理栄養士の知識と経験を活かしたライターなどが挙げられます。
また、自己管理ができず案件の締め切りを守れなかったり、メールの返信を忘れていたりすると仕事が来なくなってしまうので気を付けましょう。
次のステップへ行く前に身につけておきたいスキル
昇進や新しい業種で働くなど、次のステップへ行く前に身につけておくと便利なスキルもあります。
ここで、事前に身につけておくと役立つスキルについてご紹介します。
より専門的な知識
どんな業界・分野においても、自分が持っている知識の専門性を深めていくことは重要です。
管理栄養士が持つ知識は多岐にわたるため、その中でも自分が得意な分野の知識を深めていきましょう。
例えばこれまでに高齢者の栄養管理・指導をしてきた経験が多いのであれば、高齢者の栄養管理に対してより専門的な知識を深めていくことで、その分野のスペシャリストを目指すことも可能です。
Point
コスト意識
管理栄養士はコスト面を意識することも重要です。
営利目的で事業を展開する企業で働いているのであれば、「いかに利益を出しながら顧客満足度を高めていくことが可能なのか」を追求する形になります。
こうしたコスト意識は献立を作成する際にも必要で、決められた予算の中で栄養バランスのとれた食事を提供するにはどうすればいいかを常に考えることになるでしょう。
日常的に発生するコストを軽減していくためには、常にコスト意識を持つことが重要です。
なお、コスト意識に対して難しいというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、経営学などの勉強をしなくてはいけないわけではありません。
まずは日頃からどこにどれくらいのコストがかかっているのか、どうすれば食材ロスを低減できるのか、などを考えながら仕事をするだけでも違ってきます。
IT系のスキルとリテラシー
現在はどの職場でもPCを使うことはもちろん、情報システムを使って顧客情報などを一元管理する職場も増えています。
こうした職場での業務にも携われるように、IT系のスキルを身につけておくと良いでしょう。
特にExcelやWord、PowerPointなどのソフトを使いこなせる技術があると、職場でも重宝される可能性があります。
また、IT系のスキルに加えて、最低限のITリテラシーも把握しておく必要があります。
IT系のスキルを持っていたとしても、ITリテラシーが低かったらウイルス感染や情報漏洩、SNSが炎上するなどのリスクが起こり得ます。
PCに触れる機会が多くなったからこそ、IT系のスキルとリテラシーは身につけておくべきです。
また、事前に身につけておけば様々な職場で活躍できる可能性が高いです。
ビジネスマナー
お客様や取引先の方などに対して対外的な業務を行う可能性が高い場合、ビジネスマナーを身につけておくことも大切です。
ビジネスマナーといってもその内容は多岐にわたり、例えば挨拶や言葉遣い、来客対応などが挙げられます。
特に言葉遣いは日頃から注意していないと、うっかりプライベートの喋り方になったり、敬語や謙譲語などが混ざっておかしい日本語になったりすることもあります。
そのため、次のステップでどのような仕事をするか決まっていない状態だったとしても、日頃からビジネスマナーに気を付けつつ仕事に取り組むことが大切です。
今回は、管理栄養士の次のステップに向けた方向性と、身につけておきたいスキルについて解説してきました。
管理栄養士の仕事はやりがいも大きく、魅力的な仕事ではありますが、次のステップへ向けて行動したいと考える人もいるはずです。
管理栄養士は多岐にわたる分野で活躍できるため、自分自身の成長を促すためにも次のステップに向けて今から行動を起こしていきましょう。
今回の記事を参考にどういった方向性で進んでいくか、また身につけておくべきスキルを習得して次のステップに進んでみてください。