管理栄養士として働いている方の中には、現在の給与や待遇に不満があることから転職を考える方もいるでしょう。
そうした方におすすめの転職先のひとつが、美容業界です。
今回は、美容業界で働く管理栄養士の平均年収や仕事内容、美容業界で働くメリット、年収をアップさせる方法をご紹介するとともに、なぜ管理栄養士の転職先として美容業界がおすすめなのかを解説していきます。
管理栄養士の資格を活かし、年収アップを目指して転職を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
管理栄養士は美容業界への転職で年収アップを狙える?
管理栄養士の平均年収を現在の求人情報から試算すると、正社員で約380万円、アルバイトまたはパートで約154万円となっています。
この平均年収は全ての職種を総合したものですが、では美容業界で働く管理栄養士の平均年収はどれくらいなのでしょうか?
まずは、管理栄養士が活躍する主な美容業界の平均年収と仕事内容から見ていきましょう。
美容サロンやエステサロン
美容サロンやエステサロンで働く管理栄養士の平均年収は、300万〜500万円程度です。
主な仕事内容は、サロンを訪れたお客様から生活習慣や普段の食事内容を聞き取って、改善すべき点があればアドバイスを行ったり、個々の体質に合わせて食事レシピを提案したりすることです。
サロンが主催するセミナーで、参加者に対して美容や栄養に関する講話を行うこともあります。
Point
美容クリニック
美容クリニックで働く管理栄養士の平均年収は、340万〜420万円程度です。
主な仕事内容は、お客様が抱える美容の悩みをヒアリングし、最適なメニューの提案や食生活のアドバイス、栄養指導などを行うことです。
施術メニューや料金体系を分かりやすく説明することも、仕事のひとつになります。
比較的規模の大きなクリニックが、管理栄養士の募集を行っている傾向にあります。
そのため、福利厚生が充実していて、産休や育休、介護休暇なども取りやすいところが魅力です。
化粧品メーカー
化粧品メーカーで働く管理栄養士の平均年収は、290万〜360万円程度です。
主な仕事内容は、化粧品の企画・開発・研究・成分調査などです。
職場によっては、デパートやドラッグストアなどの化粧品売り場で、お客様に対してカウンセリングや化粧品の提案などを行うこともあります。
また、SNSを活用して美容に関する情報を発信したり、管理栄養士の知識を活かして体の内側から美しくなるための栄養や食事に関する情報を提供したりすることで、自社商品の販売促進や売上に貢献する役割を任されることもあるようです。
化粧品に関する知識を増やして経験を積み、自分で企画・開発した商品が大ヒットとなれば、平均年収以上の収入も期待できます。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブで働く管理栄養士の平均年収は、290万〜340万円程度です。
主な仕事内容は、利用者に対する栄養指導や食事メニューの提案です。
フィットネスクラブでは、利用者の心を掴むための企画力が求められることも多いので、食事や栄養に関する専門知識を用いて一人ひとりに最適な提案を行える管理栄養士は非常に重宝されます。
貴重な管理栄養士を獲得するため、全国展開を行っている大手フィットネスクラブでは、管理栄養士に対して資格手当を支給しているケースもあります。
管理栄養士が美容業界に転職するメリット
上記の内容からすると、美容業界は管理栄養士が活躍するその他の業界と比べて、特別年収が高いというわけではありません。
しかし、転職する際は目先の年収だけにこだわってはいけません。
ここでは、管理栄養士が美容業界に転職することで得られるメリットを3つご紹介します。
美容に関する知識やスキルが身に付く
管理栄養士が美容業界に転職することで、食事や栄養の知識に加えて、美容に関する知識やスキルも身に付きます。
例えば、美容サロンやエステサロンの場合は、カウンセラーやセラピスト、エステティシャンとしての知識・スキルの他に、接客マナーも学べます。
未経験から新しい知識やスキルを獲得するには苦労も伴いますが、一度身に付けてしまえば、一生の財産となるでしょう。
また、美容業界で働きながら得た知識は、自分の美容にも活かせます。
お客様の美容をサポートするうちに美意識が高まって、自分自身が美しくなっていく方もいます。
お客様の変化や反応が直に見える
美容業界で働く管理栄養士は、お客様と直接触れ合う機会が多いのも特徴です。
美容サロンにエステサロン、美容クリニック、フィットネスクラブ、いずれも美容やダイエットの悩みを抱えて訪れた方に対して、食事や栄養の観点からアドバイスを行って、内側からキレイになるためのサポートをします。
自分が提案した食事メニューやアドバイスによって、お客様が美しく変化していく様子を直に見ることができる、感謝や喜びの声を直接聞けるといった点は、美容業界ならではの魅力でしょう。
収入アップや独立を目指せる
管理栄養士が美容業界に転職したからと言って必ずしも年収がアップするわけではありませんが、美容業界は努力が収入に結び付きやすいです。
例えば、歩合制を採用している美容サロンやエステサロンであれば、自分を指名してくれるお客様が増えるほど、評価も上がります。
Point
独立に成功したサロンのオーナーの平均年収は、およそ500万円と言われており、中には数千万円を稼いでいる方もいます。
管理栄養士が美容業界に転職して年収を上げるコツ
最後に、管理栄養士が美容業界に転職して年収をアップさせるコツを2つご紹介します。
美容関連の資格を取得する
管理栄養士を募集している美容業界では、管理栄養士以外の資格は必須でないことも多いです。
しかし、収入アップを目指すのであれば美容関連の資格を積極的に取得するようにしましょう。
職場によっては、特定の資格を取得することで資格手当が支給されることもありますし、スキルアップにも繋がります。
例えば、エステサロンの場合は、エステティシャン向けの民間資格の取得がおすすめです。
大手サロンなら未経験者でもしっかりとした研修があるので、転職してから取得しても問題ありませんが、あらかじめ取得しておくことで、同じく未経験から入社する人たちとスタートで差をつけることが可能です。
コミュニケーション能力を磨く
美容業界では、美容に関する知識と共に、コミュニケーション能力が求められる場面が数多くあります。
お客様のカウンセリングから、その人の生活習慣や好みを聞き出して、適切なアドバイスを行うには、高いコミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーション能力を磨いてお客様からの信頼を集め、多くの指名客を獲得することで、会社からの評価も上がって年収アップが期待できます。
ご紹介したように美容業界は、管理栄養士が活躍する他の業界と比べて、特別収入が良いというわけではありませんが、努力が評価に結びつきやすい業界です。
美容関連の資格を積極的に取得したり、コミュニケーション能力を磨いたりすることで、今よりも年収を大幅にアップできる可能性は十分にあります。
また、お客様の変化や反応に直接触れられる、美容の知識やスキルが身に付いて自分も美しくなれるといったところも魅力です。
現職で管理栄養士としての給与や待遇に不満を抱えていている方は、美容業界への転職も検討してみてはいかがでしょうか?