管理栄養士の分野別就職先ガイド 〜理想の職場選びと年収のポイント

管理栄養士 分野別

管理栄養士の就職先には幅広い選択肢があるため、どこに就職しようか迷う方も多いでしょう。
就職先選びで後悔しないためには、まず自分がどんな分野に向いているのかを知ることが大切です。

そこで今回は、管理栄養士が活躍する主な分野と、分野ごとの管理栄養士の平均年収をご紹介していきます。
理想の就職先選びに、ぜひお役立てください。

管理栄養士の活躍の場を分野別にご紹介

管理栄養士の主な活躍先を分野ごとに分けると、以下のようになります。

・医療、福祉分野
・教育分野
・研究分野
・スポーツ分野
・美容分野

各分野の特徴や向いている方について、以下で詳しく見ていきましょう。

医療、福祉分野

医療、福祉分野

医療・福祉分野で働く管理栄養士は、医療チームの一員として食事指導や栄養管理、献立作成などを通じて患者さんや利用者の健康を支えます。
就職先には、病院や診療所、介護施設などが挙げられ、病気や障害を抱える方の栄養診断や栄養状態と身体機能に応じた栄養介入をします。

栄養の専門知識はもちろん、様々な病気や健康状態に対応するためには医学的な知識も求められます。
管理栄養士で医療・福祉分野への就職に向いている方は次のような方です。

◎少しの違和感にも早く気づく観察力がある
◎不測の事態にも慌てず対応できる冷静さがある
◎知識欲や向上心が強い
◎様々な立場の方とのコミュニケーションに自信がある

教育分野

教育分野

教育分野で働く管理栄養士は、自身が持っている食や栄養に関する知識を必要としている人に教える立場を担います。
主な就職先は、栄養士や管理栄養士の養成施設、調理師専門学校などです。

教員免許を取得すれば、小中学校の家庭科教師や人々に食育を教える立場も目指せます。
栄養士・管理栄養士養成施設の教員を目指す場合、単に管理栄養士の資格を有しているだけではなく、管理的立場で実務経験を積んだ経験がある人が採用されることが多いです。

また、小中学校などの教育機関に就職した場合は、その他の科目を教える教職員や事務局員、教育委員会のスタッフらと一緒に働くことになります。
管理栄養士で教育分野への就職に向いている方は、次のような方です。

◎高いコミュニケーション能力を持つ
◎教育の専門家として高い力量がある
◎人の成長をサポートすることにやりがいを感じる
◎子供への愛情や責任感が強い
◎人の話にきちんと耳を傾けられる

研究分野

研究分野

研究分野で働く管理栄養士は、食や栄養に関する研究を重ね、新しい発見を世間に発信したり、商品化することで人々の健康促進や病気の発症予防に貢献します。
主な就職先には、大学や企業の研究機関、医薬品メーカー、食品メーカ—、化粧品メーカーなどが挙げられます。

メーカー勤務の場合は、研究以外にも市場調査や営業などを任させるケースもあるため、研究のみに没頭したい方は業務範囲をよく確認しておきましょう。
管理栄養士で研究分野の職場に向いている方は、次のような方です。

◎好奇心が旺盛
◎多角的な視点から考える力がある
◎一つのことに粘り強く取り組む忍耐力がある
◎失敗にもめげない前向きなメンタルを持っている

スポーツ分野

スポーツ分野

スポーツ分野で働く管理栄養士は、プロアスリートやスポーツ好きな一般の方に対して、食事指導や栄養管理を行います。
主な就職先には、スポーツチームや実業団、ジュニアスポーツクラブ、フィットネスジム、パーソナルトレーニング施設などがあります。

スポーツチームや実業団に管理栄養士として所属する場合は、監督やコーチ、スポーツドクター、理学療法士などと連携して、選手がより良いコンディションで本番に臨めるように栄養面からサポートします。

一般の方が多く利用するフィットネスジムでは、インストラクターとしてお客さんにカウンセリングを行い、運動と食事をバランスよく組み合わせたプログラムを提案したり、個別栄養相談に乗ったり、時には栄養セミナーを開催することもあるでしょう。
管理栄養士でスポーツ分野への就職が向いている方は、次のような方です。

◎スポーツ全般または特定の競技に関する知識がある
◎主役よりもサポート役が好き
◎向上心が強く、知識や技能のアップデートに情熱を注げる
◎選手の心理状態に寄り添ったサポートが可能

美容分野

美容分野

美容分野で働く管理栄養士は、栄養カウンセリングや食事のアドバイスを通して、お客さんの美と健康をサポートします。
主な就職先は、エステサロンや美容クリニック、化粧品メーカーなどです。

Point

現代では、美の維持・向上のためには、普段の食生活を見直して摂りすぎている栄養素を制限したり逆に足りない栄養素を補ったりするなど、内面からのアプローチが不可欠という考えが浸透してきています。
そのため、美容業界においても、栄養や食のスペシャリストとして体の内側から人々の美と健康を支えられる管理栄養士は、非常にニーズが高まっているのです。

管理栄養士で美容分野への就職に向いている方は、次のような方です。

◎接客が好き(エステサロンで働く場合)
◎美容への関心が高い
◎美容に関する知識や技術の習得に積極的
◎企画力や提案力がある

分野別の管理栄養士の平均年収

年収

管理栄養士が活躍する主な分野が分かったところで、各分野の給与にどれくらい違いがあるか気になるという方もいるでしょう。
ここからは、上記でご紹介した5つの分野それぞれの平均年収をご紹介していきます。

医療、福祉分野で働く管理栄養士の平均年収

医療・福祉分野で働く管理栄養士の年収は、職場によって大きく異なります。
例えば、病院や診療所に勤務する管理栄養士の平均年収は、約300万〜400万円ですが、介護福祉施設の場合は約260万円〜310万円ほどとなっています。

病院と比べると介護福祉施設の方が水準は低めですが、「未経験OK」や「残業少なめ」といった求人もよく見受けられるので、ワークライフバランスを重視する方には向いているでしょう。

教育分野で働く管理栄養士の平均年収

教育分野で働く管理栄養士の平均年収は、小中学校の家庭科教師として勤務する場合で約350万円程度、専門学校の教師として勤務する場合で約300万〜650万円です。

所属先の学校によって国家公務員または地方公務員として採用されるので、安定した雇用が見込めるでしょう。

研究分野で働く管理栄養士の平均年収

研究分野で働く管理栄養士の平均年収は、職場によっても異なりますが、一般の研究員で約300万〜400万円、主任研究員で約400万〜500万円、部長クラスでは約700万〜1,000万円以上と、役職が上がるほど高年収が期待できます。

大学の研究機関に所属する場合は、国立か私立かでも違いが生じるため注意してください。

スポーツ分野で働く管理栄養士の平均給与

スポーツ分野で働く管理栄養士の平均年収は、フィットネスジムでは約240万〜360万円、プロアスリートの担当管理栄養士では約1,000万円以上と、職場によって金額にかなりの幅があります。

ただし、近年スポーツ栄養士という職業の知名度は確実に広まってきているので、今後職場による平均年収の差は徐々に縮まっていく可能性があります。

美容分野で働く管理栄養士の平均年収

美容分野の職場のひとつであるエステサロンに勤務する管理栄養士の平均年収は、約300万〜500万円です。
「賞与あり」の求人も多く、個人の実績に応じては金額が上乗せされるインセンティブ制度を導入している企業もあります。

管理栄養士が活躍する職場を分野別に分けると、「医療・福祉」「教育」「研究」「スポーツ」「美容」などとなります。
分野ごとに求められる知識やスキル、やりがいを感じるポイントなどが異なります。

就職してから「想像していたのと違う」といったミスマッチを感じないためには、自分の性格や能力を考慮してそれにマッチする職場を選ぶことが大切です。
その上で、給与などの条件についても検討すると良いでしょう。

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